週刊少年チャンピオン(2026/6/18発売 Vol.29)掲載の弱虫ペダル最新話の感想、考察をお届け。
以下、ネタバレありますので、ご注意ください。
弱虫ペダル RIDE.869(第869話) 最新話 あらすじ(ネタバレ注意!)
前回までのあらすじ
RIDE.869 あらすじ
段竹が柚子越の前に出てきたことで、わずかに飛び出すタイミングがずれた柚子越。
「ルーラーの残りカス」と苛立ちながらも、後ろを振り返って気づく——段竹がまだはりついていることに。
偶然か、それともわざとタイミングをずらしたのか。
柚子越の足止めは決定的になり、扉間だけが六代を追う展開となった。
扉間の脳裏に浮かぶのは、真波山岳の忠告だった。
「総北は気をつけて。作戦がハマって有利になって、もう来ないだろうと思った時に来るから」
まさにその通りのタイミングで、総北は仕掛けてきた。
扉間は動揺を抑え、「オレに足りないのは最後の冷静さだ」と自分に言い聞かせる。
一方の六代は、箱学が一人追ってきていることに気づきながらも、段竹から受け継いだ教えを思い出す。
山の5kmは平坦の5kmとは速度域が違う。早めに水分と補給を摂れ。
息が上がる中、背中の補給を取ろうとした六代の手が滑り、補給を落としそうになる。
そこへ追いついてきた扉間が空中でキャッチした。
「クールに決まったぜ……って、おまえ六代!?」
補給はライム味だった。
それは今朝、扉間自身が六代に向けて言った言葉——「レース中、山で会ったら一緒に食おうじゃねぇか」——の伏線だった。
扉間は驚きながら補給を六代に返す。
「おまえ、クライマーだったのか!!」
六代も同時に気づく。
追いかけてきていたのは「蘭樹朗くん」だったんだ。
弱虫ペダル RIDE.869(第869話) x(旧twitter)での反応
弱虫ペダルの三年生インターハイは小野田と真波の構図で総北と箱学の一年生で最後の優勝争いをするんじゃないかと予想してたけど、2日目の山岳賞争いになりそうだな。ここの闘いは楽しみ。
— 凹道 (@shotsdesu) June 18, 2026
チャンピオン 弱虫ペダル ここで伏線が生きてくるのかぁ。ここまでひっぱれるのは人気のある長期連載ならではだな。
— 鈴木字美 (@S_nery) June 18, 2026
弱虫ペダル RIDE.869(第869話) 感想、まとめ、考察
段竹竜包、最後まで「足止め屋」を貫いた
今週、まず触れたいのは段竹の最後の仕事ぶりです。
柚子越の前にフラフラと出てきて、わずかなブレーキのタイミングをずらした——本人が「わざとか」と疑うほどの絶妙さでした。
段竹がもう脚を残していなかったとしても、彼の「存在」自体が最後の一手として機能した。
柚子越の「残りカスのくせに」という苛立った言葉が、逆に段竹の仕事の大きさを物語っています。
苛立たせるくらい、相手のリズムを崩せたということです。
ルーラーという脚質——前回の記事で解説した「記録には残らないがチームを支える」役割を、段竹は本当に最後の一滴まで体現しきりました。
山岳賞という結果には名前が載らない。でも歴史には刻まれる。
おじさん、段竹竜包というキャラクターをこの数週間でとことん好きになりました。
真波山岳の「忠告」が伏線として機能する快感
扉間の回想で出てきた真波の忠告——「もう来ないだろうと思った時に来るから」。
これ、鈴木字美さんのツイートにもあった「伏線が生きてくる」という感覚、おじさんも完全に同じでした。
おそらくここでいう伏線は補給のくだりだと思いますが、この場面でもある意味伏線だと思うんです。
真波山岳というキャラクターは、総北のことを誰よりも理解している箱学側の人間です。
過去何度も総北と死闘を繰り広げてきたからこそ、「総北の粘り強さ」を肌で知っている。
その忠告を後輩の扉間にちゃんと伝えていた——というのが、世代を超えたチームの知恵の継承を感じさせて、おじさんはグッときました。
まさに長期連載だからこそ説得力を持つ場面です。
真波と総北の歴史を知っている読者ほど、このセリフの重みがわかる。
869話というこの数字自体が、積み重ねの証なんですよね。
「蘭樹朗くん」という伏線回収に震えた
そして今週の本当のクライマックスは、扉間がキャッチした補給がライム味だったという場面でしょう。
今朝、扉間が六代に「レース中山で会ったら一緒に食おう」と言っていた——この何気ない朝の約束が、まさかレース中の山岳区間で、こんな形で回収されるとは。
これ、渡辺先生の伏線の張り方の真骨頂だと思います。
普段着の、何気ない日常会話。
レース前の選手同士の軽い約束。
それが何百ページも後の、命を削るような山岳バトルの真っ只中で)回収される。
扉間が「おまえ、クライマーだったのか!!」と驚く場面、ここがまた良くて。
扉間にとっ、いままで先頭を走っていた選手六代は「総北の知らない選手」だった。
でも今朝、ライムの補給を分け合った相手が、実はレースの中で自分が追いかけている相手だった——敵でありながら、すでに知り合いだったという不思議な縁。
ロードレースという競技は、敵チームの選手とも同じ空間、同じ時間を過ごします。
レース前の何気ない交流が、レース中にこういう形で「人間関係」として浮かび上がってくる——これがチーム戦であり、同時に「人と人の物語」でもある弱虫ペダルの魅力です。
六代蓮太、教えを実践する1年生
今週、六代が段竹の教えをきちんと実践している場面も見逃せません。
「早めに水分と補給を摂れ」という段竹の言葉を思い出しながら、息が上がる中で必死に補給を取ろうとする。
手が滑って落としそうになる——この不器用さも、六代というキャラクターのリアリティです。
百戦錬磨の選手ならスマートに補給できるところを、六代はまだ余裕がない。
でも「思い出せ」と教えを実行しようとする姿勢そのものが、先輩から受け取ったものを血肉化しようとする1年生の成長過程を表しています。
段竹の「事前に備えるんだ」という教えが、まさにこの瞬間に効いてきた。
落としそうになった補給食を扉間が拾ってくれたのは結果的に「敵チームの優しさ」でしたが、教えを実行しようとした六代の姿勢自体が、すでに正しかったとおじさんは思います。
凹道さんの予想——2日目は「山岳賞」が主役に
凹道さんのツイートで「小野田と真波の最終決戦を予想していたが、2日目は山岳賞争いになりそう」という指摘がありましたが、おじさんも同感です。
弱虫ペダルという作品は、「主役」を一つに絞らないところが本当にすごい。
小野田と真波の物語は確かに大きな軸ですが、今週まで見てきたように、段竹・六代・扉間・柚子越・木利屋・水田——それぞれの選手にそれぞれの物語があって、それが同時並行で進んでいく。
これは群像劇としての完成度の高さです。
3年目のインターハイがここまで「山岳賞」という一つの賞にフォーカスしながらも、その裏で何十人ものキャラクターの人生がぶつかり合っている。
主役は一人じゃない。レースに出る全員が、それぞれの物語の主役だ。
渡辺先生が18年間描き続けてきたものの集大成を、おじさんは今、まさに見ている気がします。
次回への期待——「蘭樹朗くん」との真の決着
「追いかけてきてたの、蘭樹朗くんだったんだ」——この六代の一言、なんだか可愛らしくて、それでいてこれからの本気の勝負への予兆でもあります。
敵だけど、ちょっと知っている相手。
ライムの補給を分け合った相手。
それでも山岳賞は一つしかない。
六代と扉間、この二人の決着がどう転がるのか。
段竹が命を削って作ったこのチャンスを、六代はどう生かすのか。
来週が待ちきれません!!
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