【ガクサン 18話ネタバレ】18冊目|うるしの参考書選び。姉あかねの「お願い」は姪のドリル選び――「自分で選んだからこそ愛着がわく」、そしてまさかの福山に電話!?

ガクサン

モーニング(講談社)で連載された漫画、佐原実波『ガクサン』のネタバレと感想・考察をお届け。

18冊目は「うるしの参考書選び」。ここから単行本3巻です。連休に地元の富士宮へ帰ったうるしを待っていたのは、姉あかねの「ゆかりの参考書をいっしょに選んでほしいの!」というお願い。うるしは福山の受け売りでドリルを選びますが――。

以下、ネタバレを含みますので、ご注意ください。

原作の漫画を手元で読みたい方は、こちらからどうぞ。18冊目は3巻に入っています。

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ガクサン 18冊目「うるしの参考書選び」あらすじ(ネタバレ注意!)

前回までのあらすじ

山崎さんが語った福山の過去。福山は「パワハラ」で編集部から異動させられた……ということになっている。上層部はヒットメーカーの福山を手放さないために、お客様ご相談係を作ったのでした。

福山は、社内とくに編集者に対してトラウマがある。うるしは「編集者になりたい」という気持ちを福山には言えないまま。そこへ姉のあかねから、連休に帰ってきてほしいと電話が入ります。

前回の記事はこちら → 【ガクサン 17話ネタバレ】17冊目|うるしと福山の過去。編集部を外された理由は「パワハラ」?

富士宮に帰省、父の仏壇の前で

うるしの地元は、静岡県の富士宮。駅で迎えてくれたのは、姉のあかねと姪のゆかり(ゆっちゃん)。元ギャルのあかねは、うるしが来るので気合を入れておしゃれしてきました。

富士宮やきそばを食べて、富士山を眺めて、浅間大社にお参り。実家に着くと、うるしは仏壇にお線香をあげます。

思い出すのは、亡くなった父の言葉。選択肢がたくさん得られるように、今勉強するんだ。

うるしは心の中で、少しずつ前に進めている気がすると報告します。

姉に「編集者」を打ち明ける

ヤバい先輩とはどうなのかと聞くあかねに、うるしは福山の過去の話をします。あかねの感想は、先輩は悪くないのでは、でももともとの態度は最低だから自業自得か、という揺れっぷり(笑)。

そしてうるしは、最近、編集者をめざそうかと思っていると打ち明けます。

理由は、自分の仕事に愛をもって働く人に憧れるから、自分もああなれたらいいから。

あかねは、何か言いたげにうなずくだけでした。

あかねのお願いは「ゆかりのドリル選び」

わざわざ呼び出した理由は、ゆかりの参考書をいっしょに選んでほしいというもの。ドリルか、とうるしはツッコみます(笑)。

ゆかりは今年で小学5年生。授業は聞いているので成績はふつう。でも、机に向かわない、本も読まない、漫画も少し。中学受験の予定はないけれど、受験組はここから塾が本格化する。このままでは差がつきすぎるのではと、あかねは心配しています。

編集者志望ならズバッとアドバイスして、と頼まれ、うるしは身内の相談くらい解決しなければと引き受けます。でも、小学生の勉強事情はまったく知りません。

地元の本屋は、もうない

車で向かったのは、ショッピングモールの中の本屋さん。うるしが子どものころ、お小遣いを握って漫画雑誌を買いに行った近所の「やすだ書店」は、もうなくなっていました。

16冊目でレナが言っていた「地元にはなんにもない」。うるしは、たしかにわからなくはない、と思いつつ、なんにもないことはない、とも感じます。

「何が一番かは、自分で見て選ばないとわからない」

あかねが春休みに買った漢字ドリルは、結局手つかず。うるしは、こういうとき福山ならどうするかを考えて、こう言います。

「何が自分にとって『一番』かは自分で見て選ばないとわかんないんだよね」

どの本も他社と区別するために細かな工夫をしている。使ってみて違うこともあるけれど、使う本人が自分で選んだからこそ、愛着がわいて続けられる。8冊目で福山に教わった「参考書の愛し方」の受け売りです。あかねは目を丸くします。

キャラもののドリルは小さい子向けだと取り合ってもらえず、中学受験対策ものは高学年向けの雰囲気。そこで見つけたのが、『読解力と語彙力を鍛える! なぞ解きストーリードリル』。小学生がなぞの蔵を探索するストーリーを読み解きながら、問題に答える読解ドリルです。

ゆかりもパラパラめくって、うなずきます。……と思ったら、本当に見てほしかったのはおまけのシールでした(笑)。

結局手つかず、そして福山に電話!?

後日、いぶき社。うるしは落ちこんでいます。あのドリルを買ったのに、ゆかりは1回も手をつけなかったのです。

今日はどうしたのか、と福山。福山が人の様子を気にしている!?

事情を聞いた福山は、ドリルの選択は悪くない、本人が興味を持つ参考書を選ぶことも重要だ、と言ったうえで、今回のケースは、問題はそこではないのだろうと続けます。

そして、今電話できるか、と。ビデオ通話の画面いっぱいに福山の顔のどアップ。あかねは、顔がこわい、でも結構かっこいい、と心の中で大忙し。19冊目へ続きます。

【ガクサン流・ドリルの選び方】「自分で選ぶ」と「見た目で入る」は本当に効く?

18冊目のうるしの選び方は、2つのポイントがありました。「本人が自分で選ぶ」ことと、「見た目を興味の糸口にする」こと。どちらも心理学の研究で裏づけがあります。

1. 自分で選ぶと、やる気が続きやすい

子どもや学生に「選ぶ機会」を与えた実験をまとめた分析では、選択肢を与えると、やる気(内発的動機づけ)や、課題をがんばる気持ちが高まる傾向が見られました。ただし、選択肢が多すぎると効果が下がることも報告されています。(Patall ほか, 2008)

うるしの「自分で見て選ばないとわかんない」は、まさにこれ。親が選んだ1冊より、2〜3冊にしぼったうえで本人に選ばせるのが現実的です。

2. 興味は「入口」から育つ

興味の研究では、興味は4つの段階で育つと考えられています。最初は、見た目やおもしろい話など、外からのきっかけで生まれる「その場の興味」。それがくり返されると、自分から求める「長続きする興味」に育っていきます。(Hidi & Renninger, 2006)

キャラもののドリルや、なぞ解きのストーリーは、この「入口」をつくる工夫です。ただし入口だけでは続かないことも。ゆかりが手を付けなかった理由は、19冊目で福山が明かします。

勉強に使うなら

  • 親が候補を2〜3冊にしぼり、最後は子どもに選ばせる
  • 店頭で「最初の1ページ」を子ども自身に読ませてみる
  • 学年より少し下の「やさしすぎる」ものは、プライドを傷つけて逆効果のことも(「小さい子がやるやつじゃん」)
  • 買って終わりにせず、最初の数日はいっしょに開く

ぱっと見まとめ:子どものドリルの選び方

番号名前やること
1しぼって選ばせる候補を2〜3冊にしぼり、最後は本人が選ぶ
2入口を作る見た目・キャラ・ストーリーで「おもしろそう」を作る
3年齢に合わせる幼く見えるものは高学年には逆効果のことも
4最初はいっしょに買った日から数日は、親子で1ページずつ開く

ドリル選びチェックリスト(18冊目から)

  • [ ] 候補を2〜3冊にしぼった
  • [ ] 最後は子ども本人が選んだ
  • [ ] 子ども自身が、店頭で中身を1ページ見た
  • [ ] 見た目が子どもの年齢に合っている
  • [ ] 買った日に、いっしょに1ページやってみた

参考文献

  • Patall, E. A., Cooper, H., & Robinson, J. C. (2008). The effects of choice on intrinsic motivation and related outcomes: A meta-analysis of research findings. Psychological Bulletin, 134(2), 270–300.
  • Hidi, S., & Renninger, K. A. (2006). The four-phase model of interest development. Educational Psychologist, 41(2), 111–127.

【今回のガクサン】なぞ解きストーリードリル

作中の「今回のガクサン」欄に載っていたのは、うるしが見つけたこのシリーズです。国語・算数・理科があり、理科なら理科に関係するお話と問題が載っています。

ガクサン 18冊目 感想・考察

【今回の一番】「選択肢がたくさん得られるように」

18冊目の一番は、仏壇の前でうるしが思い出した、お父さんの言葉です。

1冊目で、うるしは子どものころお父さんに、将来好きなことを身につけられるように勉強するのだと言われていました。そのお父さんが、もう亡くなっていたことが18冊目でわかります。

「選択肢」という言葉は、16冊目のレナの「地元からでは手の届かない選択肢がある」とも重なります。

地元を出て、ふらふらして、ようやく見つけかけた「編集者」という選択肢。お父さんの言葉が、26歳のうるしの背中を押している。おじさんは、ここでぐっときました。

うるし、福山の「受け売り」で戦う

何が一番かは自分で見て選ばないとわからない――これは8冊目の福山の「運命の一冊なんてない」「書店はデートの場」そのものです。

16冊目のTOEICの単語帳トークもそうでしたが、うるしは福山の言葉を、ちゃんと自分のものにしてきている。あかねが目を丸くしたのは、妹の成長に驚いたからでしょう。

でも、ゆかりはドリルに手をつけなかった。受け売りだけでは届かないところがある。ここで福山が出てくる展開が、18冊目のうまさです。

【考察】地元の本屋がなくなるということ

うるしを育てた「やすだ書店」がもうない。お小遣いを握って漫画雑誌を買いに行った本屋が、ショッピングモールの中の本屋に変わっている。

ガクサンは参考書の漫画ですが、「本と出会える場所」がどこにあるかも、実はずっと描いてきました。

8冊目の「書店はデートの場」、16冊目の「BOOKS WITH BEER」。地方で、町の本屋が減っていく。手に取って選ぶ場所が遠くなれば、うるしの言う「自分で見て選ぶ」ことも難しくなります。

レナの「選択肢」の話とも、静かにつながっているのです。

「顔がこわい」……でも「結構かっこいい」

最後のページは笑いました。うるしの家族の前に福山が直接出てくるのは初めて。しかもビデオ通話のどアップ(笑)。

そして、あかねのでも結構かっこいいという心の声。17冊目で山崎さんが「漫画の主人公みたい」と言っていましたが、外から見た福山は、やはり「かっこいい」のですね。

まとめ

  • 連休にうるしが富士宮へ帰省。亡き父の言葉「選択肢がたくさん得られるように今勉強するんだ」
  • うるしは姉あかねに「編集者をめざそうかな」と打ち明ける
  • あかねのお願いは、小学5年生の姪ゆかりの参考書(ドリル)選び
  • 地元の「やすだ書店」はもうない
  • うるし「何が自分にとって『一番』かは自分で見て選ばないとわからない」→『なぞ解きストーリードリル』を選ぶ
  • でもゆかりは1回も手をつけず。福山は「問題はそこではない」と、あかねにビデオ通話

ゆかりのつまずきの本当の理由は何なのか。福山とあかねの通話で、ガクサンの中でも屈指の名場面が待っています。19冊目へどうぞ!

続きが待ちきれない方は、漫画でひと足先にどうぞ。

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