週刊少年マガジン掲載の漫画 盤上のオリオン最新話の感想、考察をお届け。
以下、ネタバレを含みますので、ご注意ください。
盤上のオリオン 第101話 最新話 あらすじ(ネタバレ注意)
前回までのあらすじ
佳澄碧と茅森月、三段リーグで死闘を繰り広げる。
一進一退の攻防。
茅森月の圧倒的な優勢だったかに思えたが、
ついに佳澄碧の一手が!
放たれた7八飛成——王手。
頂上決戦の行方は——!?
今回のあらすじ
佳澄のノータイム連打に追い詰められた茅森は、ついに秒読みへ突入。
王手を繰り出すも、佳澄は角で冷静に対応。
茅森の竜が右往左往する中、佳澄が追撃の三連歩。
奨励会員たちが固唾を飲んで見守る中、佳澄が4八金を打つ。
「ようやく ようやくつかまえた 茅森月」
一方、別卓では夕飛が自分の対局を終え、茅森と佳澄の行方を気にかけていた。
そして勉三も、自分の対局が終わっていたことに気づく(笑)。
勉三が静かに、しかし重く語る。
耐え、退き、凌ぎ、力ずくで——天秤を粉砕した。
盤上のオリオン 第101話 X(旧Twitter)での反応
オリオン10巻、月と碧のW表紙ですか!?!?これは熱い。#盤上のオリオン
— アロツサ (@ast_4458) June 9, 2026
盤上のオリオンおもろすぎる
早くアニメ化して— たねかず@ミューレの犬(群) (@ituka_yaseru) June 9, 2026
盤上のオリオン 第101話 感想・考察・まとめ
「時間はマイグリーンにも流れている」——天戸の冷静な分析
今回冒頭、天戸のセリフが静かに刺さった。
茅森月の成長を認めつつも、「より濃密で残酷で美しい時間が」奨励会でも流れていた——と。
これは茅森月への称賛でも否定でもなく、ただの「事実」として語られている。
奨励会員たちは削り合いながら強くなっていた。
成長したのは茅森だけではない。
この視点を冒頭に置いた構成が実に巧い。
読者が「茅森有利」と思って読み始めるところに、静かに「そうとも限らない」と釘を刺してくる。
秒読みに追い込まれた茅森——攻守逆転の妙
持ち時間で圧倒的に有利だったはずの茅森が、今回ついに秒読みに入る。
佳澄のノータイム連打がそのまま茅森の思考時間を奪い続けた結果だ。
将棋において秒読みとは、単に時間が減るだけではない。
一手ごとに「考える余裕」が消えていく精神的な圧迫でもある。
茅森が「またノータイム 私の持ち時間で思考してる?」と内心で動揺しているシーンは、佳澄がいかに茅森の頭の中を支配していたかを物語っている。
そして追い詰められた茅森の竜が右往左往する描写。
茅森自身が「かっこ悪い」と内心で嘆くのがまた良い。
強い棋士ほど、みっともない姿を盤面でさらすことを嫌う。
その茅森が、かっこ悪いと自覚しながらも逃げ続けなければならない——これが佳澄碧の将棋の恐ろしさだ。
「王手馬取り」——将棋用語ミニ講座
今回勉三が「ツライ」と漏らした王手馬取り(おうてうまとり)について解説しておきたい。
王手馬取りとは、王手をかけながら同時に相手の桂馬も攻撃する一手のことだ。
相手は王手を防がなければならないため、桂馬を取られることをほぼ防げない。
つまり一手で二つの仕事をする、将棋における非常に効率的な攻め筋だ。
「一石二鳥」を盤面で実現するようなもので、決まれば攻める側が大きく得をする。
茅森がこれを繰り出したのは、秒読みの中でも攻撃の糸口を探し続けていた証拠でもある。
追い詰められても攻める。それが茅森月という棋士の本能だ。
「ようやくつかまえた」——この一言の重さ
今回おじさんが最も震えたのは、佳澄が4八金を打った後の一言だ。
「ようやく ようやくつかまえた 茅森月」
「ようやく」が二度繰り返されている。
これは単に「やっと捕まえた」という達成感ではない。
ここまでの道のり——アマ竜王戦での屈辱、三段リーグでの死闘、先人たちから受け取ったバトン——そのすべてが「ようやく」という二文字に凝縮されている。
佳澄碧にとって茅森月は、単なる対局相手ではなかった。
運命の敵であり、越えるべき壁であり、自分が本気を出せる数少ない相手だった。
だから「ようやく」は二度でなければならなかった。
一度目は今この瞬間の感慨、二度目はここまでの全ての時間への言葉だ。
勉三の総括——「天秤を粉砕した」
対局を見届けた勉三の言葉が、今回の締めとして完璧だった。
序盤から茅森優勢で推移していた対局。
傾いていた天秤を、佳澄は耐え、退き、凌ぎ、力ずくで粉砕した——と。
「天秤を傾ける」ではなく「天秤を粉砕する」という表現が凄い。
形勢を逆転したのではなく、そもそも形勢という概念ごと破壊した、というニュアンスだろう。
有利不利の枠組みそのものを、力でねじ伏せた。
これは将棋の強さの描写として、おじさんが読んできた中でも屈指の表現だと思う。
また「二人とも」という言葉も見逃せない。
勉三は佳澄だけを称えたのではなく、茅森月もまた天晴れな戦いをしたと認めている。
負けた茅森への敬意が、この「二人とも」に静かに込められている。
10巻W表紙——月と碧、二人の時代へ
Twitterでも歓喜の声が上がっていた10巻の情報。
月と碧のW表紙とのことで、おじさんも思わずニヤリとした。
この二人がW表紙を飾ることの意味は大きい。
単なるライバル関係を超えて、この作品の二枚看板として並び立つ存在だということを、作者と編集部が公式に宣言したようなものだ。
茅森月ファンのおじさんとしては、負けはしたが表紙を飾る茅森月の姿に、なんとも言えない誇らしさを感じている。
……これもドM的な感情なのだろうか(笑)。
アニメ化を望む声も今回も上がっていたが、こうして単行本が重なり、キャラ人気投票も開催され、W表紙という演出まで来ると、アニメ化への道のりもじわじわと近づいている気がしてならない。
盤上のオリオンのアニメ、おじさんは本当に楽しみに待っています。
まとめ——終わりと、新たな始まりへ
101話で、佳澄碧と茅森月の三段リーグ対局はひとつの決着を迎えた。
茅森は敗れた。しかし茅森月という棋士が、この対局を経てさらに深みを増したことは間違いない。
負けた者もまた、強くなる。それがこの作品の語り口だ。
佳澄碧は「ようやくつかまえた」と言った。
でもおじさんは思う——本当につかまえたのはどちらなのか、と。
佳澄が茅森をつかまえたのか、茅森が佳澄の本気を引き出したのか。
どちらも正解で、それがライバルというものだろう。
次号以降、三段リーグの行方はどうなるのか。
茅森月はこの敗北をどう消化するのか。
おじさんの目が離せる日は、当分来そうにありません。
来週が待ちきれません。

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