【盤上のオリオン第101話】最新話 天秤を粉砕した女――佳澄碧、ついに茅森月を捕まえる(ネタバレ注意)

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盤上のオリオン

週刊少年マガジン掲載の漫画 盤上のオリオン最新話の感想、考察をお届け。

以下、ネタバレを含みますので、ご注意ください。

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盤上のオリオン 第101話 最新話 あらすじ(ネタバレ注意)

前回までのあらすじ

佳澄碧と茅森月、三段リーグで死闘を繰り広げる。

一進一退の攻防。

茅森月の圧倒的な優勢だったかに思えたが、

ついに佳澄碧の一手が!

放たれた7八飛成——王手。

頂上決戦の行方は——!?

前回の記事はこちら【盤上のオリオン第100話】

今回のあらすじ

佳澄のノータイム連打に追い詰められた茅森は、ついに秒読みへ突入。

王手を繰り出すも、佳澄は角で冷静に対応。

茅森の竜が右往左往する中、佳澄が追撃の三連歩。

奨励会員たちが固唾を飲んで見守る中、佳澄が4八金を打つ。

「ようやく ようやくつかまえた 茅森月」

一方、別卓では夕飛が自分の対局を終え、茅森と佳澄の行方を気にかけていた。

そして勉三も、自分の対局が終わっていたことに気づく(笑)。

勉三が静かに、しかし重く語る。

耐え、退き、凌ぎ、力ずくで——天秤を粉砕した。

盤上のオリオン 第101話 X(旧Twitter)での反応

盤上のオリオン 第101話 感想・考察・まとめ

「時間はマイグリーンにも流れている」——天戸の冷静な分析

今回冒頭、天戸のセリフが静かに刺さった。

茅森月の成長を認めつつも、「より濃密で残酷で美しい時間が」奨励会でも流れていた——と。

これは茅森月への称賛でも否定でもなく、ただの「事実」として語られている。

奨励会員たちは削り合いながら強くなっていた。

成長したのは茅森だけではない。

この視点を冒頭に置いた構成が実に巧い。

読者が「茅森有利」と思って読み始めるところに、静かに「そうとも限らない」と釘を刺してくる。

秒読みに追い込まれた茅森——攻守逆転の妙

持ち時間で圧倒的に有利だったはずの茅森が、今回ついに秒読みに入る。

佳澄のノータイム連打がそのまま茅森の思考時間を奪い続けた結果だ。

将棋において秒読みとは、単に時間が減るだけではない。

一手ごとに「考える余裕」が消えていく精神的な圧迫でもある。

茅森が「またノータイム 私の持ち時間で思考してる?」と内心で動揺しているシーンは、佳澄がいかに茅森の頭の中を支配していたかを物語っている。

そして追い詰められた茅森の竜が右往左往する描写。

茅森自身が「かっこ悪い」と内心で嘆くのがまた良い。

強い棋士ほど、みっともない姿を盤面でさらすことを嫌う。

その茅森が、かっこ悪いと自覚しながらも逃げ続けなければならない——これが佳澄碧の将棋の恐ろしさだ。

「王手馬取り」——将棋用語ミニ講座

今回勉三が「ツライ」と漏らした王手馬取り(おうてうまとり)について解説しておきたい。

王手馬取りとは、王手をかけながら同時に相手の桂馬も攻撃する一手のことだ。

相手は王手を防がなければならないため、桂馬を取られることをほぼ防げない。

つまり一手で二つの仕事をする、将棋における非常に効率的な攻め筋だ。

「一石二鳥」を盤面で実現するようなもので、決まれば攻める側が大きく得をする。

茅森がこれを繰り出したのは、秒読みの中でも攻撃の糸口を探し続けていた証拠でもある。

追い詰められても攻める。それが茅森月という棋士の本能だ。

「ようやくつかまえた」——この一言の重さ

今回おじさんが最も震えたのは、佳澄が4八金を打った後の一言だ。

「ようやく ようやくつかまえた 茅森月」

「ようやく」が二度繰り返されている。

これは単に「やっと捕まえた」という達成感ではない。

ここまでの道のり——アマ竜王戦での屈辱、三段リーグでの死闘、先人たちから受け取ったバトン——そのすべてが「ようやく」という二文字に凝縮されている。

佳澄碧にとって茅森月は、単なる対局相手ではなかった。

運命の敵であり、越えるべき壁であり、自分が本気を出せる数少ない相手だった。

だから「ようやく」は二度でなければならなかった。

一度目は今この瞬間の感慨、二度目はここまでの全ての時間への言葉だ。

勉三の総括——「天秤を粉砕した」

対局を見届けた勉三の言葉が、今回の締めとして完璧だった。

序盤から茅森優勢で推移していた対局。

傾いていた天秤を、佳澄は耐え、退き、凌ぎ、力ずくで粉砕した——と。

「天秤を傾ける」ではなく「天秤を粉砕する」という表現が凄い。

形勢を逆転したのではなく、そもそも形勢という概念ごと破壊した、というニュアンスだろう。

有利不利の枠組みそのものを、力でねじ伏せた。

これは将棋の強さの描写として、おじさんが読んできた中でも屈指の表現だと思う。

また「二人とも」という言葉も見逃せない。

勉三は佳澄だけを称えたのではなく、茅森月もまた天晴れな戦いをしたと認めている。

負けた茅森への敬意が、この「二人とも」に静かに込められている。

10巻W表紙——月と碧、二人の時代へ

Twitterでも歓喜の声が上がっていた10巻の情報。

月と碧のW表紙とのことで、おじさんも思わずニヤリとした。

この二人がW表紙を飾ることの意味は大きい。

単なるライバル関係を超えて、この作品の二枚看板として並び立つ存在だということを、作者と編集部が公式に宣言したようなものだ。

茅森月ファンのおじさんとしては、負けはしたが表紙を飾る茅森月の姿に、なんとも言えない誇らしさを感じている。

……これもドM的な感情なのだろうか(笑)。

アニメ化を望む声も今回も上がっていたが、こうして単行本が重なり、キャラ人気投票も開催され、W表紙という演出まで来ると、アニメ化への道のりもじわじわと近づいている気がしてならない。

盤上のオリオンのアニメ、おじさんは本当に楽しみに待っています。

まとめ——終わりと、新たな始まりへ

101話で、佳澄碧と茅森月の三段リーグ対局はひとつの決着を迎えた。

茅森は敗れた。しかし茅森月という棋士が、この対局を経てさらに深みを増したことは間違いない。

負けた者もまた、強くなる。それがこの作品の語り口だ。

佳澄碧は「ようやくつかまえた」と言った。

でもおじさんは思う——本当につかまえたのはどちらなのか、と。

佳澄が茅森をつかまえたのか、茅森が佳澄の本気を引き出したのか。

どちらも正解で、それがライバルというものだろう。

次号以降、三段リーグの行方はどうなるのか。

茅森月はこの敗北をどう消化するのか。

おじさんの目が離せる日は、当分来そうにありません。

来週が待ちきれません。

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