週刊少年マガジン掲載の漫画 盤上のオリオン最新話の感想、考察をお届け。
以下、ネタバレを含みますので、ご注意ください。
盤上のオリオン 第106話 最新話 あらすじ(ネタバレ注意)
前回までのあらすじ
佳澄碧と茅森月、三段リーグでの直接対決は佳澄碧の勝利。
佳澄碧は無敗で迎えた16戦目を勝利。
初の女性棋士が誕生。
佳澄碧の四段昇段は——新時代開幕を告げる、高らかなるファンファーレである。
前回の記事はこちら【盤上のオリオン第105話】
▶ 次の話(107話)はこちら → 【盤上のオリオン 107話ネタバレ】「棋士になって私を待ってて」――最終日前夜、ジャスミンの香りがする
今回のあらすじ
佳澄碧の女性初棋士誕生がwebニュース・テレビで特集される中、
佳澄本人は兄弟子・師匠(?)・天戸・勉三らに連れ回され、
クレープ・塩豆大福・子牛のワイン煮込み・ハニトーを次々と詰め込まれ放心状態(笑)。
インタビューはすでに10社目。
その喧騒の中、壱岐と清太郎が静かに語り合う。
清太郎は佳澄への祝福の品を持参していたが渡しそびれ、ブランドの紙袋を抱えたまま去っていく。
そして「大トリはまかせたぜ夕飛」。
一方、関西では生方橙和と木佐貫が三段リーグの最終局面を整理する。
残り2戦、昇段の可能性があるのは二宮夕飛(2敗)・市川(2敗)・七尾(3敗)の三人。
第17戦は二宮対七尾、第18戦は市川対二宮という三すくみの構図が明らかになる。
「将棋の神さんはドラマチックがお好みのようや」
盤上のオリオン 第106話 X(旧Twitter)での反応
あれっ?
清太朗はC1に上がっていないのか?
プロになってからの成績を知りたい#盤上のオリオン— U3 (@u3ta727) July 28, 2026
「盤上のオリオン/【第106話】」マガポケ https://t.co/oefz2SII7r https://t.co/oefz2SII7r
— 泉@こなた ☁️🍌 (@bdp_izumikonata) July 28, 2026
盤上のオリオン 第106話 感想・考察・まとめ
放心状態の佳澄碧——「この世の春」の喧騒
前回の感動の余韻に浸る間もなく、今回の佳澄碧は完全に連れ回されていた(笑)。
クレープを押し込まれ、塩豆大福、天戸からは「子牛のワイン煮込み 僕のプロマイド添え」という謎の豪華セットを出され、勉三には「ハニトー好きなだけ食え」とカラオケに連行される。
「昇段したときがこの世の春」という壱岐の言葉がすべてを表している。
インタビューはすでに10社目、本人は相当嫌がっていたらしい。
「はぐう」と食べ物を詰め込まれているのが最高だ。
「天戸のプロマイド添え」については、なぜそれを添える必要があるのかという疑問しか浮かばないが(笑)、天戸らしくて憎めない。
この人は本当に自分のプロマイドをいつも持ち歩いているのだろうか。
清太郎の「93回と51回」——数字が語る友情
今回のおじさんの心をガッとつかんだのが、鞍馬清太郎の場面だ。
「93回おごった。51回勝った。でも碧におごってもらったことはない。」
この数字の精度が鞍馬清太郎らしくて最高だ。
おごった回数も、勝った回数も、正確に把握している。
AIを凌駕する天才棋士が、佳澄碧との関係においても、こんなに細かい数字を覚えている。
これは単なる几帳面さではなく、それだけ佳澄碧との時間が彼にとって特別だったということだ。
「C級リーグ戦はリベンジの場 今までの貸しは返してもらいます プロとして」という宣言も格好いい。
感謝でも祝福でもなく、「貸しを返せ」という形で再戦を誓う——これが清太郎流の愛情表現だ。
そしてブランドの紙袋を抱えたまま渡しそびれて去っていく清太郎を見て、壱岐が「超嬉しかったんだな……ハイブラかな……」と呟くのがたまらない。
口では「貸しを返せ」と言いながら、ハイブランドの祝いの品を用意してきた清太郎。
「生きるって退屈だな」と言っていたあの清太郎が、こんなに他者を思いやれるようになった。
「生きるのはちょっとしょっぱくて苦くてこんなに綺麗なんだね」という気づきが、確かにこの場面に宿っている。
「4人の神童」——壱岐が語る運命の構図
今回の最重要シーンが、壱岐の独白だ。
同時期に奨励会に入った4人の神童——久慈彼方、鞍馬清太郎、佳澄碧、そして二宮夕飛。
久慈はまたたく間に棋士となり、清太郎は奨励会最多勝常勝、佳澄碧が女性初の棋士として続いた。
そして——「もう一人の運命の子」。
清太郎が言い放つ。
「お前はいつも遅いんだよ 親友 大トリはまかせたぜ夕飛————」
この一言で、物語のスケールが一気に広がった。
夕飛は最初から「4人の中の1人」だったのだ。
久慈の29連勝、清太郎の奨励会最多勝、佳澄の女性初棋士——
それぞれが輝きながら先に行く中で、夕飛は23連敗し、バーに通い、茅森月と出会い、ゆっくりと歩いてきた。
「いつも遅い」けれど、だから大トリを任される。
締めくくりにはいちばん重い役者が立つ。
壱岐の「感慨深いぜ」という一言にも、長く見守ってきた兄弟子の情が滲んでいた。
生方と木佐貫——関西勢が整理する三すくみ
今回もう一つの軸が、関西の生方橙和と木佐貫昇太の場面だ。
佳澄碧の昇段ニュースに「ふぉぉぉぉぉおおお」と奇行全開で興奮する生方を、木佐貫が頭チョップで制する——このコンビの掛け合いが毎回笑えるのに、ちゃんと話が進む。
「全部倒置法やないか!!」というツッコミ(笑)。
しかし笑いの裏で、木佐貫の言葉は重い。
「佳澄碧が戴冠した女性初の棋士 そこに その称号に 手の届く距離にいたのに なんとも無念やで」
「しゃーないけど」と続ける木佐貫——この「しゃーないけど」の潔さが、この男の株を上げ続ける。
そして三段リーグの現状を整理してくれる木佐貫の解説が今回の読者サービスだ。
残り2戦の昇段争いは以下の通り。
- 第17戦:二宮夕飛(2敗) 対 七尾正文(3敗)
- 第18戦:市川周鳳(2敗) 対 二宮夕飛
「3すくみ!!」と生方が叫ぶのも当然だ。
二宮が17戦で勝てば18戦で市川と直接対決。
七尾が17戦で二宮に勝てば七尾にも可能性が残る。
市川は二宮との直接対決の結果次第——まさに将棋盤の上のような複雑な絡み合いだ。
「将棋の神さんはドラマチックがお好みのようや」という木佐貫の一言が、この状況を完璧に言い表している。
「より高く飛ぶためには より深くしゃがまなければならない」
木佐貫が生方に告げる言葉が、今回の名言だ。
「より高く飛ぶためには より深くしゃがまなければならない 今はより高く飛ぶための助走期間」
これは生方への言葉だが、同時にこの作品全体のテーマでもある。
夕飛の23連敗も、茅森の三段リーグ初戦敗退も、木佐貫自身の「踏み台になる」という決断も——すべてが「より深くしゃがむ」時間だったのだと思えば、何一つ無駄ではない。
生方が佳澄碧のニュースに興奮した直後、表情が厳しく引き締まる場面がある。
「私も早く棋士にならなくちゃ」——その顔を見て木佐貫が身震いする。
生方は完全に憧れの存在からライバルとして4人をとらえている。
この場面に、次世代の炎が静かに燃えている。
まとめ——「大トリ」が立つまでの物語
106話は、大きな感動の直後に静かに「次の章」への扉を開いた回だった。
佳澄碧の快挙が世間を揺るがす中、清太郎は「貸しを返してもらう」と誓い、
壱岐は「大トリはまかせた」と夕飛を見送り、
木佐貫は「将棋の神さんはドラマチックがお好み」と笑う。
4人の神童の物語は、ここからがいよいよ本番だ。
久慈彼方という頂点に向かって、夕飛はまず三段リーグの三すくみを突破しなければならない。
「いつも遅い」主人公が、ここで大トリとして立つ。
来週が、待ちきれません!!

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