箱根学園のエーススプリンター・新開隼人。普段は飄々とした潤滑油キャラですが、勝負どころでは目つきと形相が一変し、「箱根の直線鬼」と呼ばれる猛々しいスプリンターに変貌します。
この記事では本編での名場面・名言に加えて、スピンオフ漫画「SPARE BIKE」で描かれた中学時代のエピソードもあわせて、爽やかな好青年が豹変する”鬼”のスプリントとともに新開隼人という男の全体像をまとめます。
「SPARE BIKE」該当話数はspare.5〜6を参照しています。
プロフィール
| 項目 | 内容 |
| 所属 | 箱根学園(3年生)→ 明早大学工学部 |
| 脚質 | スプリンター |
| 身長・体重 | 177cm/64kg |
| 誕生日 | 7月15日 |
| 異名 | 箱根の直線鬼 |
| 愛車 | cervelo(黒い車体に白ロゴ) |
| 特徴 | 手を銃の形にして相手へ向ける「バキュンポーズ」、補給食のパワーバーを絶えず口にしている |
| 声優 | 日野聡 |
普段は厚めの唇とたれ目が特徴の好青年で、我の強いチームメイトたちの間で潤滑油的な役割を果たしています。しかし勝負どころに入ると目と舌をむき出しにして豹変し、荒々しいスプリントを見せます。
逸話:SPARE BIKEで判明した中学時代――福富寿一との絆となりすまし事件
本編には出てこない、新開の原点がSPARE BIKE spare.5〜6で描かれています。舞台は神奈川県秦野市立秦野第一中学校の自転車部です。
キャプテン福富、副キャプテン新開
中学時代、新開は自転車部でキャプテンを務める福富寿一の下、副キャプテンとして活動していました。二人は同じ自転車部の仲間として、高校進学後も一緒に走ることを楽しみにしていた間柄です。
「神奈川で自転車やっているやつは必ず憧れる箱根学園 すげーやつがうようよいるんだろうな!!」
新開が一般入試、福富が自転車の推薦枠で、それぞれ別々の受験方法で箱根学園を目指していたこともわかるエピソードです。
福富になりすました“偽者”事件
ある日、福富の推薦が取り消されるという事件が起こります。理由は、自転車でのポイ捨てや他のサイクリストへの喧嘩の吹っかけなど、素行不良の苦情が学校に多数寄せられていたためでした。
しかし実際に福富がそんなことをした覚えはありません。新開と福富はすぐに、ビアンキに乗って「秦野第一の福富寿一だ」と名乗る偽者の存在に気づき、二人でその人物を捕まえに向かいます。
「そいつを捕まえに行ってくる」
追いついた先で見つかったのは、今井という選手でした。口が達者で言い訳を重ねていた今井でしたが、最終的に謝罪し、福富の推薦は無事に復活します。
そして高校進学後、この今井は箱根学園自転車部で福富・新開と同級生として一緒に走ることになるのです。中学時代のトラブルが、高校での縁につながっていたという意外な事実が明かされるエピソードでした。
新開隼人はどんなキャラ? 好青年と“鬼”のギャップ
新開の最大の特徴は、普段の飄々とした人当たりの良さと、勝負どころで見せる凄まじい形相の落差にあります。この鬼のような形相と口調から、周囲には「箱根には鬼が出る」「箱根の直線鬼」と言わしめるほどでした。
チーム内では激しい主張をせず、我の強いチームメイトたちの間の潤滑油的な存在。福富とは中学時代からの付き合いで、互いに深く信頼し合っています。
名場面:ウサギとのトラウマ、そして克服
新開には、実力とは裏腹に抱えていた大きな弱点がありました。2年生の時のレース中、コースに飛び出してきたウサギを轢いてしまい、そのトラウマから相手の左側を抜けなくなるという弱点を負ってしまったのです。ちなみに、そのウサギの子供を「ウサ吉」と名付けて可愛がっているというエピソードもあります。
インターハイ2日目、この弱点を京都伏見の御堂筋翔に見抜かれ、執拗に突かれる新開。
「箱根の直線にさ」「鬼が出るって噂、知ってるかい?」
そう挑発してきた御堂筋に対し、新開は圧倒的なスプリント力で応戦しますが、左側を抜けない弱点を突かれ苦しめられます。しかし彼はそこで折れませんでした。
「左から抜けねェだァ?」「誰が決めた、そんなこと」「抜いてやるよ!」
「すまねェウサ吉」「オレは左を抜くぜ」「前に進むしかねェんだ」
不屈の精神力でその場でトラウマを克服し、勝負を五分に戻す新開。結果としてスプリントリザルトそのものは御堂筋に敗れてしまいますが、その後もエースアシストとして躍動し、チームの勝利に大きく貢献しました。
新開隼人の名言集
挑発と宣戦布告
- 「箱根の直線にさ、鬼が出るって噂、知ってるかい?」
- 「スプリンターの勝負ってのは本当に速いヤツだけが勝利するんだよ!!」
トラウマ克服の瞬間
- 「左から抜けねェだァ? 誰が決めた、そんなこと。抜いてやるよ!」
- 「すまねェウサ吉。オレは左を抜くぜ。前に進むしかねェんだ」
インターハイ3日目、勝負所を見極める言葉
- 「ここは先頭——最もゴールに近い場所だッ」
- 「わかるかい? 戦場だよ!!」
人間関係:弟・悠人と後輩・泉田塔一郎
新開には3歳年下の弟、新開悠人がいます。悠人は隼人と入れ替わりで箱根学園に入学し、1年生からレギュラーの座を掴みました。隼人本人は「兄弟仲は良い」と語っていますが、悠人は「新開隼人の弟」として周囲から見られることに複雑な感情も抱いており、スプリンターとしての才能を持ちながら、あえて兄とは異なるクライマーの道を選んでいます。
一方、後輩の泉田塔一郎にとって新開は、伸び悩んでいた時期にアドバイスをくれた恩人であり、エーススプリンターの座を受け継ぐ後継者としての存在です。卒業後、新開は2年目のインターハイに応援に駆けつけ、実の弟よりも泉田の成長と勝利に熱い「バキュンポーズ」を送っていました。
卒業後:福富と共に明早大学へ
高校卒業後、新開隼人は盟友・福富寿一とともに明早大学工学部(福富は法学部)に進学し、京都伏見の石垣らと共に大学の自転車競技部で活躍しています。高校卒業前に自動車免許を取得するなど、大学生活も謳歌している様子が描かれています。
SPARE BIKEで見えてきた新開隼人の“素顔”
本編の新開は、すでに箱根学園のエーススプリンターとして完成された姿で登場します。しかしSPARE BIKEが描くのは、その前段階――中学時代からの福富との深い信頼関係でした。
- キャプテン福富、副キャプテン新開という中学時代からの二人三脚
- 箱根学園への憧れを語り合った、まだ何者でもなかった頃の二人
- 福富になりすました人物をすぐに捕まえに動く、義理堅さと行動力
- トラブルの当人・今井が、後に箱根学園で同級生として共に走ることになる縁
本編で見せる「互いに深く信頼し合っている」福富との関係は、この中学時代からすでに築かれていたものだったことがわかります。
まとめ
新開隼人は、普段の飄々とした好青年ぶりと、勝負所で見せる“鬼”の形相――その二面性こそが最大の魅力のキャラクターです。
ウサギとのトラウマを不屈の精神で克服した名場面、弟・悠人や後輩・泉田との関係、そしてSPARE BIKEで描かれた福富との中学時代からの絆。
潤滑油としてチームを支えながら、ここぞという場面では誰よりも獰猛に牙を剥く――そのギャップこそが、新開隼人が「箱根の直線鬼」と呼ばれる所以なのです。

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