週刊少年チャンピオン(2026/3/5発売 Vol.14)掲載の弱虫ペダル最新話の感想、考察をお届け。
以下、ネタバレありますので、ご注意ください。
弱虫ペダル RIDE.855(第855話) 最新話 あらすじ(ネタバレ注意!)
前回までのあらすじ
インターハイ2日目。
後方では、小野田のハナウタクライムに引っぱられて、今泉が友達と走る喜びを取り戻していました。
一方の先頭では、スタート直後に飛び出した京都伏見の御堂筋と群馬の雉が、2人で逃げ続けています。
雉の「友達になろう」
スタートで抜け出したとき、御堂筋は雉に「なろうかトモダチに」と口にしていました。
雉はその言葉を真に受けて、走りながら御堂筋に手を差し出します。
その気迫、執念、ライドスタイル、どれも尊敬できる。
ふだんの練習は? 学校の授業は? 休み時間は? お弁当は? 通学は?
雉は、レース以外の御堂筋にも興味があると質問を重ね、自分は山の中をMTBで通っていると楽しそうに話します。
御堂筋の答えは「噛みつき」
ところが御堂筋は、差し出された手のにおいをかいだかと思うと、ガチッと噛みつきます。
そして、服や持ち物をほめ合って「みんな仲良く認め合う」ようなやりとりには、まったく興味がないと言い放ちました。
一緒に逃げているのは、それ以上でもそれ以下でもない。
MTBにも興味はない。
小野田はあんなに目を輝かせていたのに、と雉は地味にショックを受けます。
由布岳を越えて湯布院へ
レースは由布岳にさしかかります。
スタートの別府から20km登り続けてきた県道11号線は、標高約800mの峠を越えて、いったん下りに入りました。
その先に広がるのが、大分の山あいの温泉地・湯布院です。
草原、町並み、きれいな一本道と連続するコーナー。
さっきまで落ち込んでいた雉は、景色を前にすっかり元気を取り戻し、タイヤのグリップの限界まで使って下りを攻めます。
その攻めの下りに、御堂筋は無言でぴたりとついていきました。
後ろから3人が追いついてくる
下りの途中、御堂筋は後ろを振り返ります。
この町はまだ通過点で、数km先からまた登りが始まる。
自分たち2人を逃がすことがどれほど危険か、後ろの連中もわかっている――御堂筋の読みどおり、箱学の新開悠人と高田城、そして総北の鳴子が、汗だくで追いついてきました。
雉は、総北のエース・今泉がいないことに気づきます。
御堂筋が「今泉と友情ごっこをしていると思っていた」と挑発すると、鳴子は「スカシに言われたとおりにな 振り返らずにここまで来たわ!!」と答えたのでした。
▶ 次の話(856話)はこちら → 【弱虫ペダル 856話ネタバレ】御堂筋の心理戦が怖い!鳴子との駆け引きが熱すぎる
弱虫ペダル RIDE.855(第855話) X(旧Twitter)での反応
#弱虫ペダル RIDE.855 本誌
今週号は先週号に登場してた方々とは違う場所を走る方々
あの方はあの方に手こずってますね笑 素直じゃないからねー 一筋縄じゃいかないのよ🚴♀️
からの
他の方々もその場に追いつきつつ レースがじわじわ盛り上がってまいりました #弱ペダ— かめ (@Levi_fan_kame) March 4, 2026
弱虫ペダル RIDE.855(第855話) 感想、まとめ、考察
【今回の一番】御堂筋の「トモダチ」と雉の「友達」
今回いちばんおもしろかったのは、同じ「ともだち」という言葉の、2人の受け取り方の違いでした。
御堂筋がスタートで言った「なろうかトモダチに」は、たぶん「いま一緒に逃げる相手になろう」という意味です。
ところが雉は、それを本当の友達づくりの誘いだと受け取りました。
だから学校のこと、休み時間のこと、お弁当のことまで聞いてしまう。
御堂筋にとっては、レースの協力関係は「それ以上でもそれ以下でもない」。
この温度差が、噛みつきというとんでもない形で表れたのが今回でした。
雉の質問攻めは、相手のことを知りたいという、とても健全な気持ちから来ています。
それだけに、御堂筋の拒絶のはっきりさが際立ちました。
【考察】854話の「友達と走る喜び」との対比
855話は、前回854話と並べて読むと、テーマがよく見えてきます。
854話では、今泉が小野田のハナウタクライムに引っぱられて、友達と走る喜びを取り戻しました。
同じころ先頭では、御堂筋が「友達ごっこ」を真っ向から否定している。
つまりこの2話は、「友達と走ること」をめぐる総北と京伏の対比になっているのです。
さらに次の856話では、鳴子と今泉の「支え合うのが友達」「振り返るな」という回想が描かれ、御堂筋がそれを「オトモダチゴッコ」と呼びます。
雉の「友達」アプローチは、このテーマを読者に印象づけるための入口だった、とおじさんは考えています。
御堂筋は1年目から一貫して、仲間との絆ではなく勝つことだけを求めてきたキャラクターです。
その御堂筋が、3年目のインターハイでこのテーマにどう向き合うのか。
この先の大きな見どころになりそうです。
雉くんは本当に「不思議ちゃん」なのか
御堂筋に噛まれても「手強いね!!」と前向きで、景色を見ればさっきの落ち込みも全部忘れる。
雉の切り替えの早さには、思わず笑ってしまいました。
ただ、雉はただの不思議ちゃんではありません。
楽しむことが速さにつながるタイプの選手です。
湯布院への下りで、タイヤのグリップの限界まで攻めて走れるのは、MTBで鍛えたテクニックと、走ることを心から楽しんでいる気持ちがあるからでしょう。
雉が小野田の名前を出したのも印象的でした。
MTBの話に目を輝かせた小野田と、興味がないと言い切る御堂筋。
雉の目を通して、小野田と御堂筋という2人のエースの違いも見えてきます。
無言でついていく御堂筋のすごさ
一方の御堂筋も、ただ冷たいだけではありません。
雉の攻めの下りに、無言でぴたりとついていく。
そして、追ってくる選手がいることをいち早く察知し、この町は通過点にすぎないと冷静に読んでいる。
会話にはまったく乗らないのに、レースのことは誰よりも見ている。
これが御堂筋翔という選手のこわさです。
鳴子は今泉の言葉を守った
追いついてきた3人の中に、今泉はいませんでした。
鳴子は、今泉に言われたとおり振り返らずにここまで来たと答えます。
なぜ今泉が鳴子を送り出したのかは、次の856話の回想で明かされます。
ここでは、陽気に笑いながらも、今泉を置いてきた鳴子の胸の内を想像しておきたいところです。
【コース解説】別府から由布岳、そして湯布院へ
今回のレースの舞台は、実在の道がモデルになっています。
- 県道11号線: 別府から由布岳のふもとを通り、湯布院、そして九重方面へと続く道です。湯布院から先は「やまなみハイウェイ」と呼ばれる観光道路になり、このあと860話の舞台にもなります。
- 由布岳: 湯布院の北にそびえる山で、「豊後富士」とも呼ばれます。作中では、別府から20km登り続けた道が、標高約800mの峠を越えて下りに入ります。
- 湯布院: 大分の山あいにある温泉地。作中の説明では標高約450mの山々の中腹に温泉が湧き、四季を通じて多くの人が訪れます。
峠を越えて温泉地へ下り、また登りへ――このアップダウンが、逃げる側にも追う側にも駆け引きを生んでいます。
まとめ
855話は、雉の「友達になろう」を、御堂筋が噛みついて拒んだ回でした。
同じ「ともだち」という言葉でも、雉にとっては知り合うこと、御堂筋にとってはその場かぎりの協力関係。
前回の「友達と走る喜び」と並べると、この先の「友達」をめぐるテーマが見えてきます。
そして先頭には、今泉を置いてきた鳴子が追いつきました。
御堂筋と鳴子、2人の言葉の応酬がどうなるのか。
来週が待ちきれません!!
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