弱虫ペダルで人気のキャラクター東堂。この東堂の魅力、知りたいのは、自称”美形”のナルシストの裏に隠された、箱根学園エースクライマーとしての凄みではないでしょうか。
箱根学園のクライマー・東堂尽八。指差しポーズでの自己紹介、カチューシャ、そして「山神」と呼ばれる無音の登坂。ギャグ担当のようでいて、実力は作中屈指のクライマーです。
この記事では本編での名場面・名言に加えて、スピンオフ漫画「SPARE BIKE」で描かれた中学生時代のエピソードもあわせて、東堂尽八という男の全体像をまとめます。
「SPARE BIKE」該当話数はspare.12〜15を参照しています。
プロフィール
| 項目 | 内容 |
| 所属 | 箱根学園(3年生・副主将)→ 筑士波大学 |
| 脚質 | クライマー |
| 身長・体重 | 174cm/61kg |
| 誕生日 | 8月8日 |
| 異名 | 箱根の山神/眠れる森の美形(スリーピングビューティー) |
| 愛車 | RIDLEY(リドレー)/白い車体に赤ロゴ |
| 実家 | 箱根の老舗旅館「東堂庵」の跡取り息子 |
| 口癖・特徴 | 指差しポーズでの自己紹介、古風な言葉遣い(「ならんよ」など) |
| 声優 | 柿原徹也 |
自らを「美形」「天才」と称するナルシストで、初対面の相手にも決め台詞つきの自己紹介を欠かしません。一見残念なキャラクターに見えますが、実は箱根学園の同級生の中でも一番の常識人で、仲間の体調や食生活にまで口を出すお世話好きな一面を持っています。
逸話:SPARE BIKEで判明した中学時代――自転車は「オシャレの敵」だった
本編には出てこない、東堂の原点がSPARE BIKE spare.12〜15で描かれています。
箱根学園入学後、後輩の真波山岳から「東堂さんっていつから山神なんですか?」と聞かれた東堂が、自らの中学時代を語り始めるという構成です。
自転車に興味がなかった東堂
中学時代の東堂は、自転車を「オシャレのほうが大切」と語るほど自転車に無頓着な少年でした。友人・糸川修作の家が自転車屋で、修作から何度もヒルクライムレースに誘われても、当初はことごとく断っています。
「オレにとって自転車はどうでもいいものだった オシャレのほうが大切だった」
しかし幼い頃から中古のママチャリを、音が鳴らないように無駄なくペダルを回して乗っていたというエピソードが語られ、後の「無音の登坂」の片鱗はすでにこの頃からあったことがわかります。
「前髪がジャマだ」――夢中になった瞬間
修作との練習中、思いがけず本気の勝負になった東堂。夢中で追いかけるうち、自分でも驚くひとことを口にしてしまいます。
「前髪がジャマだ」
オシャレの象徴だったはずの前髪を「ジャマ」と言ってしまったことに、東堂自身が動揺し落ち込む――このシーンは、彼が自転車競技にのめり込んでいく最初の転換点として描かれています。
山岳賞と、初めての本気
箱根有料道路のヒルクライムレースで、東堂は自転車部のマネージャー・皆水から「山岳賞」の存在を教えられます。そして本番、脚を痛めて動けなくなった修作から自転車を託され、代わりに走ることになった東堂は、初めて“本気”のギアに入ります。
「届けようその想い修作 オレが!!通るぞ!!」
修作のロードバイクの走行性能に驚愕しながら独走し、並み居る有力校の選手たちを次々と抜き去っていく東堂。ゴール直前、自己紹介の原型となる名乗りを上げます。
「おれは箱根に古くから続く温泉宿 東堂庵の嫡男 東堂尽八だ!!」
見事優勝を果たし、この日の経験がのちに彼を箱根学園の門を叩かせるきっかけとなりました。ナルシストで自信家な東堂の“山神”としての原点は、友人のために本気で走ったこの中学時代のレースにあったのです。
東堂尽八はどんなキャラ? ナルシストの仮面の下にある常識人
「登れる上にトークも切れる! 更にこの美形! 天はオレに三物を与えた!! 箱根の山神、天才クライマー東堂とはこの俺のことだっ!!」
初対面の坂道にも披露される、東堂の代名詞ともいえる自己紹介です。指差しポーズとともに決めるこのセリフは、彼にとって定番の挨拶のようで、何度も披露されます。
一方でレース中は打って変わり、無駄のない動きと静けさで加速し相手を抜き去るスタイルが特徴。この静かな登坂から「森の忍者」と陰で呼ばれていましたが、東堂本人はこの呼び方が気に入らず、自ら異名を名乗り直しています。
「俺の登りは森さえ眠る」「だから俺のことを皆は言う」「”眠れる森の美形”(スリーピングビューティー)」「スリーピングクライムの東堂ってな!」
言動は騒がしくナルシストですが、実は箱根学園の副主将として、仲間の体調や食生活にまで気を配る常識人という一面もあわせ持っています。
名場面:巻島裕介との“ラストクライム”(1年目インターハイ1日目)
東堂尽八を語る上で欠かせないのが、千葉総北高校のクライマー・巻島裕介との宿命の対決です。
出会いと積み重ねた戦績
東堂と巻島の出会いは高校2年生の時のクライムレース。自信過剰な東堂と陰気な巻島は、初対面ではお互いの髪型やカチューシャを馬鹿にし合う険悪なムードでした。しかしレースになれば互いに実力を認め合い、対戦を重ねるうちに「巻ちゃん」「尽八」と呼び合う仲になっていきます。
高校時代の対戦成績は14戦7勝7敗の五分。運命の15戦目は巻島のマシントラブルで決着がつかず、二人はインターハイの山岳リザルトで白黒つけることを約束します。
坂道の献身が繋いだ勝負
インターハイ1日目、坂道が集団落車に巻き込まれて最下位に転落したことで、巻島はチームを引く役目を優先せざるを得なくなり、東堂との勝負が一時流れかけてしまいます。しかし坂道の「100人抜き」の追い上げによってチーム合流が実現し、巻島はついに東堂のもとへ駆けつけます。
「ヨォ! 東堂、どぉだコンディションは!?」
巻島の問いかけに、東堂が返した答えがあまりにも有名な名言です。
「オレは……たった今絶好調になった!!」
僅差の決着、そして「ありがとう」
体をぶつけ合い、抜いては抜かれる激しい攻防の末、山岳リザルトは僅差で東堂が勝利。3年間の集大成となったこの一戦を、東堂はこう締めくくりました。
「三年間、共に競い合ってくれてありがとう巻ちゃん」
勝負の結果以上に、互いへの敬意が滲むこの言葉が、二人の関係を象徴する名場面として語り継がれています。
名場面:真波山岳へ贈った「自由に走れ」
東堂は後輩クライマー・真波山岳のことも気にかけ続けていました。チームの勝利がかかったレースの前でも、敗北して落ち込んでいる時でも、東堂が真波にかけ続けた言葉は一貫しています。
「自由に走れ」
さらにインターハイ最終日を前にしては、まるで未来を見通していたかのような言葉を残しています。
「お前が一人箱根学園のジャージと歴史、プライドを背負い」「ゴールに向けて走る状態になったのなら」「その時は自由に走れ」
この言葉は、後の真波の走り方――何ものにも縛られない「自由」なスタイル――を決定づける重要な一言となりました。
東堂尽八の名言集
自己紹介・決め台詞
- 「登れる上にトークも切れる! 更にこの美形! 天はオレに三物を与えた!! 箱根の山神、天才クライマー東堂とはこの俺のことだっ!!」
- 「俺の登りは森さえ眠る。スリーピングクライムの東堂とは俺のことだ」
巻島とのラストクライム
- 「オレは……たった今絶好調になった!!」
- 「三年間、共に競い合ってくれてありがとう巻ちゃん」
真波への言葉
- 「自由に走れ」
- 「お前が一人箱根学園のジャージと歴史、プライドを背負い、ゴールに向けて走る状態になったのなら、その時は自由に走れ」
巻島との関係、卒業後も続く「永遠のライバル」
インターハイ後、巻島は家庭の事情で突然部を退部し、イギリスへ渡ってしまいます。宙ぶらりんな状態になった東堂ですが、高校卒業後は筑士波大学に進学し、自らの手で自転車競技部を創設しました。
進学先を選んだ理由も巻島への想いゆえのもの。当初は巻島が日本で進学予定だった大学への進学を希望していましたが、巻島の留学の話を聞き、巻島が留学した大学と姉妹校である筑士波大学へ進路を変更しています。
この大学では、中学時代に東堂を自転車競技へ導いた親友・糸川修作、そして総北高校の田所迅と共に部活動を行っています。
卒業後も交流は続いており、原作コミックス49巻では大学に進学したことを自ら報告するとともに、卒業後もライバルとして巻島とのレースを重ね、3勝2敗1分(巻島有利)という星取りが明かされています。
SPARE BIKEで見えてきた東堂尽八の“素顔”
本編の東堂は、すでに「箱根の山神」として完成されたエースクライマーとして登場します。しかしSPARE BIKEが描くのは、その前段階――自転車をオシャレの邪魔者としか思っていなかった中学生が、親友のために本気で走ったことをきっかけに、のめり込んでいく姿でした。
- 自転車に興味すらなかった東堂が、友人・修作との練習で初めて「夢中」を知る
- 「前髪がジャマだ」という一言に自分自身が驚く、転機の瞬間
- 動けなくなった修作の想いを背負って走り、初めての優勝を掴む
- ゴール直前の名乗り「東堂庵の嫡男、東堂尽八だ!!」に見る、後の“決め台詞キャラ”の原型
本編で見せる自信満々な自己紹介や、真波・巻島への一途な向き合い方は、すべてこの中学時代――友人のために本気になった経験から始まっていたことがわかります。
まとめ
東堂尽八は、ナルシストで自信家という一見残念なキャラクターに見えて、実は誰よりも仲間とライバルを大切にする、義理堅く一途な男です。
巻島とのラストクライム、真波への「自由に走れ」という言葉、そしてSPARE BIKEで描かれた中学時代の“はじめての本気”。
「登れる上にトークも切れる」という自己紹介そのままに、実力と人間味を兼ね備えたクライマー――それが東堂尽八という男の魅力です。

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