千葉総北高校の元エーススプリンター・田所迅は、大学受験で第一志望の明早大学に不合格。進学した筑士波大学には、まさかの自転車競技部が存在しないという現実が待っていました。
競技経験ゼロの旅系サークルで再出発しかけた田所が、再びレースの世界に戻ってくるまでの物語を、SPARE BIKE大学編の描写に沿ってまとめます。
「SPARE BIKE」該当話数はspare.93〜101を参照しています。田所迅本人のプロフィールは個別まとめ記事もあわせてご覧ください。
明早大学、まさかの不合格
金城と同じ車で引越しの荷物を運びながら、田所は部の送別会で後輩・今泉に核心を突かれます。
「明早大落ちたってホントすか?」
福富や新開と同じチームで走るかもと豪語していた田所でしたが、2次選考で不合格。最終的に進学したのは、自転車競技をやる者がほとんど選ばない、茨城の筑士波大学情報工学部でした。
「オレは根性の男 田所迅だからな!!」
引っ越しの手伝いには後輩・青八木一が同行し、田所の大学生活の第一歩を見届けます。
「競技部がねェんだよ」――サイクリング部という選択
筑士波大学には自転車競技部(レース部)が存在しませんでした。狙いを定めたのが本格的な旅系サークルサイクリング部でした。
「部員は絶対鉄のフレームじゃないとダメだって決まりがあるらしい」
長期休みには海外を自転車で大陸横断するという本格的な部活に興味をひかれた田所は、まずは「レースをやりそうなヤツを探して競技部を立ち上げる」という腹案を持って見学に向かいます。
靴野井先輩との出会い、そして“決断力”の話
サイクリング部で田所を迎えたのは、旅から帰ったばかりの3年生・靴野井でした。田所が読み込んでいたブログの主本人だと知り、一気に距離が縮まります。
「旅てのはさいわば命がけなの」「自分の決めた道には失敗はあっても 後悔はないのさ」
コンビニも自販機も使わない国内ツーリングから始め、夏には海外へ――そのスケールに気圧された田所は、見学のつもりが気づけば入部を即決していました。
「入りますサイクリング部!! 世界中の道をこの目で見たいです!!」
初めての部活練習では、クロスバイクでのんびり走る仲間たちに拍子抜けしつつも、筑波山の中腹まで走破したあとに振る舞われたコーヒーに、なぜかほっとする自分に気づきます。
「200点か… 知らない道を知るために走る シンプルだ」
筑波山、中腹での偶然の再会
有終の美として、田所は自分のロードバイクで筑波山に登ってみることにしました。すると、急な登りに苦しんでいる田所を、真っ赤なジャージの選手が音もなく抜き去っていきます。
「久しぶりだな 見たことのあるフォームと自転車だと追いかけてみれば 奇遇だなこんなところで 再会するとは!!」
抜き去ったのは、箱根学園のエースクライマー・東堂尽八。田所と東堂は、共に明早大学を目指していたはずが、田所は不合格、東堂は巻島の渡英を受けて志望校を変更――偶然にも同じ筑士波大学の学生になっていたのでした。
新設された自転車競技部、そして糸川修作
田所を驚かせたのは、東堂が着ていたジャージの背中に入った「自転車競技部」の文字でした。
「筑士波大学には自転車競技部はねェはずだ!!」
東堂の答えは、田所の想像を超えるものでした。中学時代に一度2人で部を作ったことのある幼馴染・糸川修作と共に、入学前から資料を揃えて新設していたのです。
「人の歴史というのは度々繰り返される!! おもしろいものだ!!」
その場で東堂と下りの勝負を交わした田所は、加速も減速も“音がしない”東堂の走りに舌を巻きながら、久々に自転車で闘える喜びを実感します。
「くそオこれだ!!最高だぜ オレが求めてたのはこれだァ!!」
靴野井先輩への報告、“退部届”の決断
東堂との再会を受け、田所はサイクリング部の練習を10日間休ませてもらい、自分の心を確かめる時間を取ります。1週間後、決意を固めて靴野井のもとを訪れると、すでに答えを見抜かれていました。
「見ればわかるさ だって10日前オレに休みを言い出してきた時すでに”決意の目”してた」
「大丈夫 退部届は快く受理するよ」
引き際まで田所を気遣い、“バディが見つからなければ自分が立候補するつもりだった”と明かす靴野井。短い期間ながら濃密だったサイクリング部での経験は、田所にとって大切な財産になりました。
そして靴野井自身も、田所が夢中になった「ロードレース」を見に行くと約束し、その舞台が思いがけず筑波山レースになるのでした。
SPARE BIKEで見えてきた田所迅の“素顔”(大学編)
高校時代の田所迅まとめでも描かれた“何度も挫折しながら道を見つける”姿は、大学に入っても変わっていませんでした。
- 第一志望の明早大学に落ち、自転車競技部の無い大学に進学するという新たな挫折
- 一度はサイクリング部の世界に本気で惹かれ、レースから離れかけたこと
- 靴野井の“決断力”という言葉に背中を押され、自分の心にもう一度向き合ったこと
- 筑波山での偶然の再会が、再びレースの世界へ導いてくれたこと
「勝ちてーならやれ、負けていいならやめろ」――高校1年時に寒咲から受け取った言葉を、大学でも自分自身に問いかけ続けていたことがわかるエピソードです。
まとめ
田所迅の大学編は、不合格という挫折から始まり、サイクリング部という新しい世界に本気で惹かれながらも、最後は”レースの世界”を選び直す物語でした。
東堂尽八との筑波山での再会は、単なる偶然ではなく、2人がそれぞれ大切な人(巻島裕介)のために進路を変えた結果、辿り着いた場所での巡り合わせだったとも言えます。続きは筑士波大学自転車競技部まとめで、初陣となる筑波山レースの模様をご紹介します。

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