週刊少年チャンピオン(2026/9/17発売 Vol.42)掲載の弱虫ペダル最新話の感想、考察をお届け。
以下、ネタバレありますので、ご注意ください。
弱虫ペダル RIDE.880(第880話) 最新話 あらすじ(ネタバレ注意!)
前回までのあらすじ
山岳賞争いの六代と扉間。
ジャージを頭からかぶった六代のビーストモードが一気に加速し、扉間との一騎打ちになる。
思考を介さない反射の走りは長くは持たず、山岳ラインまで残り1kmで六代は正気に戻る。
力のほとんどを使い果たしたはずの六代が口にしたのは、扉間への到達と、木中への感謝だった。
前回の感想記事はこちら → 【弱虫ペダル RIDE.879】「木中くんありがとう」——本能を超えた六代が見せた仲間への想い
今回のあらすじ
九州の山間部を南北に貫く観光道路「やまなみハイウェイ」。
標高1330m。ここが今回のインターハイ九州大会の最高地点であり、二日目の山岳ラインでもあります。
ラインまで残り1kmを切った地点で、箱根学園と総北はほとんど並んだまま900m、800mと進む。
ただ、総北の六代は明らかに限界。
前回のビーストモードの代償が全身に残っており、息は乱れ、体は痛み、胸のむかつきまで出ている。
脚も手もガクガクで、力を使い切っているのは見てわかる。
中学からの不思議な縁もあって、ライン手前まで連れていって夢見させてやろうかという親心さえ、一瞬よぎります。
六代はフォームを崩しながらも意地で並び、全身を使って前に出ようとする。
残り700m。
扉間はそこで、勝負の間際にはクールになると決めた自分を選び直し、無慈悲な加速で六代を置いていく。
置き去りにされた六代は、しかしうなだれてはいない。
抜かれた瞬間に伝わってきた扉間の気遣いと想いを、あっちいと受け取る。
心のパワーがよみがえった六代は、残り600mで小野田、木中、段竹へ詫びを入れ、この先はたぶんリタイアすると覚悟を決める。
そして襟元に手を伸ばす——頭までジャージをかぶる、二度目のビーストモードへ。
弱虫ペダル RIDE.880(第880話) x(旧twitter)での反応
今週の
弱虫ペダルおお!
いくぜ!
やるぜ!
禁断の2度目ビースト👍— 寝己舞鑼 (@nekozuk98035044) September 16, 2026
今週の弱虫ペダル2日目山岳争いがラストスパートだけど体力尽きる寸前の六代が二回目のビーストモードでリタイヤ覚悟とか普通にチームに迷惑やろw山岳諦める選択を..
3日目あるんよ?考えて^^;
未だになんで六代レギュラーか不思議まだ杉元のがチームの為になるのに…(ㆁωㆁ)#弱虫ペダル— なおたん@アニオタ (@katou0226) September 16, 2026
弱虫ペダル RIDE.880(第880話) 感想、まとめ、考察
観光道路の景色と、残り1kmの地獄
今回、冒頭で牧ノ戸峠の案内が入るのが効いていました。
駐車場もレストハウスもある高原の観光道路。展望台まで行けばくじゅう連山や阿蘇まで見通せる、という説明の直後に、残1kmの山岳賞争いが来る。
景色は美しいのに、走っている側は吐くまで苦しい。
この落差、弱虫ペダルらしいなと思いました。
舞台が「最高地点」だと改めて示されることで、六代がしがみつく山岳ラインの重みも一段上がっています。
蛇口をひねり切ったあとが、今週の本題だった
前回、扉間は六代の走りを「タンクの蛇口を際限なくひねるようなもの」と見て、残り1kmは持たないと見抜いていました。
今週はその答え合わせです。
息は上がり、脚も手もガクガク、フォームはメチャクチャ。
ビーストモードの代償が、ここまで生々しいとは思っていませんでした。
「がう」としか言わなかった獣が、普通の一年生の体に戻った瞬間の弱さ。
それでも六代が最初に確認するのは、痛みではなく扉間に追いついていることなんですよね。
段竹が残していった「チャンス」を、体が壊れる寸前でもまだ信じている。
この優先順位の狂い方というか、まっすぐさに、このおじさんは先にやられました。
扉間の親心と、「勝負の間際はクール」という自己定義
今週いちばん怖いのは、扉間が冷たい男だから置いていった、という話ではないところです。
引きちぎるのは容易いとわかったうえで、連れていって夢見させてやろうかという親心までよぎっている。
中学からの縁を思い出し、必死な背中に一瞬だけ情が動く。
そのうえで、勝負の間際にはクールになると自分で決めた約束を貫く。
878話で扉間は、理解できないものを乗り越えてきた男だと自分を定義し直していました。
今週はそれが情けを殺す方向に出た。
「あっちい男がクールになった」と六代が評したあの温度差が、ここで実走になっている感じがします。
箱根学園の一年生として、扉間がどんな位置にいるのかを押さえておくと、この「確実な勝ち」への執着も見え方が変わります。
王者のジャージを着た一年生が、同じ一年生に情をかける余裕を、自分から切り捨てにいっている。
この自己定義の厳しさは、箱学らしいです。
沿道の「ひどくない?」が、読者の声そのもの
置いていかれたあとの観客の反応、計算されているなと思いました。
あっけなく勝負がついた、という声。
同じ一年生なのに連れていってあげればいい、という声。
自転車は後ろのほうが楽なんじゃないか、という声。
ロードレースを知っている人ほど、風よけを譲るか、勝ちにいくかで分かれる場面です。
このおじさんは最初、扉間を少しひどいと思いました。
でも読み返すと、六代を連れていけば扉間の勝ちが薄まる。山岳ゼッケンは一位の話です。
情をかけるなら、かける側がリスクを取る。
扉間はそれをわかったうえで、オレの確実な勝ちを選んだ。
観客の意見が分かれるのは、この選択がどちらにも正しく見えるからです。
置いていかれた側が、熱を受け取ってしまう
そして今週の逆転は、ここです。
置き去りにされた六代は、うなだれません。
抜かれた瞬間に、扉間が少し泣いていた気配と気遣いを感じ取り、心のパワーがよみがえったと言う。
置いていく行為を、冷たさではなく熱として受け取っている。
これが六代蓮太という選手の、いちばん六代らしいところだと思います。
相手の技を分析し、相手の背中から想いを拾い、自分の燃料に変える。
ビーストモードで言葉を捨てていた前回とは逆に、今週の六代は感受性が全開です。
扉間はクールになろうとして加速した。
その加速の温度を、六代はあっちいと翻訳してしまう。
このすれ違い、好きすぎます。
「たぶんリタイアします」の重さと、二度目のジャージ
残り600mで六代が詫びを入れる相手が、木中、段竹なのも重い。
小野田からは「自由に走れ」を、段竹からは山岳賞そのものを、木中からは部活後の反復練習と「オレの分もキモチを運んでくれ」を受け取っている。
そのバトンを持ったまま、この先はたぶんリタイアすると先に言ってしまう。
チームの三日目を考えると無茶だ、という反応が出るのもわかります。
実際、二日目の山で脚を使い切る怖さは、木利屋の去年が証明済みです。
ただ六代の頭の中では、山岳賞を諦めて残す、という選択肢が見えていない。
段竹が自分の夢を託してふもとまで連れてきた以上、途中で安全に降りるのが「チームのため」に見えない。
総北の一年生枠と、その周りのバトンの重さを一度整理しておきたい方はこちらです。
小野田坂道がこれまでどう走ってきたかを振り返ると、六代が最初に詫びた相手が主将である意味もはっきりします。
そして六代は襟元に手を伸ばす。
一度壊れた体で、もう一度ジャージをかぶる。
前回の蛇口は、ひねり切ったら終わりのはずでした。
それを、意識のある状態で、リタイア覚悟でもう一度ひねりにいく。
禁断、という反応が出るのも当然だと思います。
次号への期待
残り600m。扉間はすでに差をつけ、六代は二度目の獣になろうとしている。
体が持つのか。山岳ゼッケンはどちらに行くのか。三日目に脚は残るのか。
どれも気になりますが、このおじさんが一番見たいのは、二度目のビーストを見た扉間の顔です。
情けを殺して置いていった相手が、その熱を燃料にしてまた追ってくる。
クールになろうとした一年生と、熱を拾って獣になる一年生。
牧ノ戸峠の最高地点まで、あと少しです。
来週が待ちきれません!!
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それぞれのチームのIHメンバーや戦績をじっくり知りたい方は → 弱虫ペダル まとめ・一覧
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