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週刊少年マガジン掲載の漫画 盤上のオリオン最新話の感想、考察をお届け。
以下、ネタバレを含みますので、ご注意ください。
最新話の第113話は、こちらの号に載っています。
原作の漫画を手元で読みたい方は、こちらからどうぞ。
盤上のオリオン 第113話 最新話 あらすじ(ネタバレ注意)
前回までのあらすじ
三段リーグ最終日、第18戦。
2敗同士の二宮夕飛 vs 市川周鳳、勝った方が棋士になる。
市川の回想では、千歳朔が師匠探しに奔走し、「俺では お前を棋士にしてやれん」と自分の限界を口にしていた。
泣きながら笑った朔の「勝って 僕の代わりに 棋士になってや」。
市川は「朔 お前の仇は 俺が討つ」と、久慈彼方を倒すことを誓う。
しかし二宮は一手損(三角パス)で市川に攻めさせ、8五桂・4四角の「スナイパー」で応じる。
そして告げた。「あなたの相手は彼方じゃない 僕だ」
前回の記事はこちら【盤上のオリオン第112話】
今回のあらすじ
冒頭は、朔が久慈彼方との二面指しで完敗した日の回想。
久慈は朔と指しながら、片手間でスマホのネット将棋も指していた。
「相手の子も奨励会の子だから」。
自信がこっぱみじんになった朔は「将棋会館は魑魅魍魎だらけや」とつぶやき、久慈が放り出したスマホに目をやる。
一方、最終日のほかの対局が次々に終わっていく。
七尾正文は勝って14勝4敗。「この勝ちを何としても来期につなげるんや」。
茅森月は10勝8敗。最終戦は黒星で、うつむいたまま。
そして佳澄碧が「参りました」。
「関西勢が佳澄に2連勝や!!」「全勝阻止や!!」と盛り上がる関西勢。
すでに四段昇段を決めている佳澄は16勝2敗で終了。「お菓子食べながら寝てたし 家かよ」と言われるほど、やる気はなかったらしい。
佳澄が気にするのは「あっちはどうなった?」——二宮と市川の対局だ。
その第18戦。
市川は「攻めに出て生まれたスペースを上手く使われた」と認める。「強い 強い だが」。
二宮の7三角成に「飛車を追い出しに来たな」。それでも市川は攻めをやめない。
「その銀冠を解体してやる——」と3五歩。
二宮は「僕の銀冠はそんなにチープじゃないぞ」。
4六歩、同金、6六角の王手、7七桂、5七角成、4七金——激しい攻め合いのなかで、市川の頭に朔の言葉がよみがえる。
「久慈彼方を超えるんはお前や」
ところが、銀冠攻略の尖兵だった3五歩が、旋回した二宮の馬に回収されてしまう。
「惚れぼれするような駒運びだ」。
朔の「久慈彼方は大天才や」に、「何ゆうてん 半分お前のせいやからな」と返した記憶。
そして市川は気づく。
「ここにもおるやないか——」
あの日、久慈彼方がスマホで負けた相手。画面には「LOSE ムーンライト」「WIN タケノコ」。
「久慈彼方に匹敵する 否 彼を凌駕する 大天才が——」
5五歩の銀取り、二宮の4六歩の金取り。「もう逃げてはくれない 仕留めに来たか——」
市川は自分の失態を「マヌケレベルや」と悟る。
「俺の相手は 天才二宮夕飛だ——」
立ちはだかる敵は目の前にあり…。次号へ!
盤上のオリオン 第113話 X(旧Twitter)での反応
盤上のオリオンが面白すぎて、早く来週になって欲しい
— みの (@chippymtg) October 6, 2026
今週の少年マガジン読了
個人的に面白かったのは
① 盤上のオリオン
② 怨霊日和
③ 青のミブロ-新選組編-
④ 黒月のイェルクナハト
⑤ 群雄を綴る— ジーン@ティオ (@junjun0817) October 6, 2026
盤上のオリオン 第113話 感想・考察・まとめ
「WIN タケノコ」——111話の伏線が、ここで回収された
久慈彼方をネット将棋で負かしていたのは、二宮夕飛だった。
111話を思い出してほしい。
朔を二面指しで完敗させた直後、なぜか勝った久慈のほうがボロ泣きしていた。
朔は「将バトで 野良将棋で負けたみたいですよ だから僕が泣かしたんじゃないんです!!」と慌て、大人が「たぶん東京の奨励会の子だから」と答えていた。
その「東京の奨励会の子」のハンドルネームがタケノコ。
二宮のお菓子は、たけのこの里。112話で生方が「さすが“タケノコ”」と呼んでいたのも、ここにつながっていた。
前回の記事でおじさんは「久慈彼方を泣かせたのは二宮夕飛ではないか」と書いたが、まさか2話後に、スマホの画面1枚でこんなにはっきり答えが出るとは思わなかった。
しかも久慈のハンドルネームは「ムーンライト」。
「LOSE ムーンライト」の一行は、常勝の天才にも、子どもの頃に泣かされた相手がいたという証拠でもある。
朔が見た「魑魅魍魎」——その中に二宮もいた
冒頭の朔の独白も、今読むと意味が変わる。
「その子も負かす相手がいる」
「将棋会館は魑魅魍魎だらけや」
朔は、子供相手に片手間であしらわれた。
その「子供」の久慈が、スマホの向こうで別の子供に負けて泣いている。
上には上がいる、という当たり前のことを、朔は一日で二段飛ばしで知ってしまった。
そしてその「上の上」が、何年も後に、自分が夢を託した市川の前に座っている。
朔が「久慈彼方を超えるんはお前や」と言い続けてきたのは、たぶん本気だ。
でも朔自身は、あの日のスマホの画面を見ていた。朔の言う「久慈彼方」の先に、もう一人の大天才がいることを、朔はずっと知っていたのかもしれない。
「何ゆうてん 半分お前のせいやからな」——市川が久慈彼方しか見えなかった理由
市川が久慈彼方ばかりを見ていた理由が、この一言にあると思う。
朔は口ぐせのように「久慈彼方は大天才や」「お前は久慈彼方を超える才能や」と言ってきた。
だから市川にとって、倒すべき相手はずっと久慈彼方だった。
「何ゆうてん 半分お前のせいやからな」
この返しが、市川らしくて好きだ。
責めているようで、ちゃんと朔の言葉を全部受け取ってきたことがわかる。
朔の夢を背負ったからこそ、目の前の二宮が見えなくなっていた。
112話で書いた「市川は盤の向こうの二宮夕飛を見ていない」という話は、裏を返せば、それだけ朔の存在が大きかったということでもある。
【今回の一番】「俺の相手は 天才二宮夕飛だ」
そしてラストの見開き。
盤の向こうに二宮、盤のこちらに市川。
「俺の相手は 天才二宮夕飛だ——」
前回、二宮が「あなたの相手は彼方じゃない 僕だ」と言った。
今回、市川がそれに自分の言葉で答えたわけだ。
しかも、ただ認めただけではない。
「高みを見過ぎて足もとすくわれるレベルの失態やない マヌケレベルや」
自分を「マヌケ」と言い切れるのは、強い人だけだ。
ここで市川は、朔の仇討ちから、目の前の一局へと戻ってきた。
おじさんは、ここからの市川が一番怖いと思う。
「眠りの超急戦」が、やっと本当に目を覚ました。
見開きの「大天才が——」、立ちはだかる二宮夕飛
もうひとつ、ぜひ本編で見てほしいのが、二宮が盤の前にあぐらをかいて座っている1ページだ。
「大天才が——」という大きな文字。
二宮は震災で両親を亡くし、祖父に育てられた。勝てばココア、負ければレモンティー。
久慈彼方を泣かせた「タケノコ」は、たぶんこの部屋でスマホを握っていた少年だ。
のちに祖父を亡くして23連敗する二宮、「大天才」、これからは二宮の時代だと言わんばかりである。
その二宮が、いま「受け師」として、そして烈火の将棋で、市川の前に立っている。
最終日の結果——七尾・茅森月・佳澄碧
二宮と市川の陰で、ほかの対局も決着した。
- 七尾正文 14勝4敗:勝って終えたが、2敗同士の対局があるので昇段には届かず。「この勝ちを何としても来期につなげるんや」
- 茅森月 10勝8敗:最終戦は黒星。うつむく姿がつらい
- 佳澄碧 16勝2敗:最終日は関西勢に2連敗で全勝ならず
佳澄は、すでに105話で四段昇段を決めている。
関西勢の「全勝記録いらんのや」「お菓子食べながら寝てたし 家かよ」には笑った。
そのくせ佳澄は「あっちはどうなった?」と、二宮と市川の対局を気にしている。
自分の記録より、もう一人の昇段者が誰になるのか。佳澄らしい。
茅森月の10勝8敗は、正直おじさんも胸が痛い。
107話で「棋士になって私を待ってて」と二宮に言った月。
二宮がこの一局に勝てば、その約束は半分かなうことになる。
【将棋用語】馬・銀冠の弱点・「銀取り」「金取り」
今回も盤上が激しく動いたので、出てきた言葉を整理しておく。
もっと他の将棋用語をじっくり知りたい方は → 将棋用語まとめ
角成(かくなり)と「馬」
二宮の7三角成。
角が敵陣(相手側の3段)に入ると「成る」ことができ、「馬(うま)」になる。
馬は角の斜めの動きに加えて、前後左右に1マスずつ動ける。攻めにも守りにも使える、とても強い駒だ。
将棋には「馬は自陣に引きつけよ」という格言もあるくらいで、今回の二宮は、その馬を旋回させて自陣の3五歩を回収した。
市川が「惚れぼれするような駒運び」と言ったのは、この馬の使い方だ。
銀冠と3五歩
銀冠は、玉の頭に銀をかぶせた囲い。上からの攻めに強い(112話で菊水矢倉から組み替えた形)。
そのぶん、銀の頭や、囲いの横から歩で突いて崩すのが攻める側の定番になる。
市川の3五歩は、まさに「銀冠攻略の尖兵」。
それが馬に回収されたということは、市川の攻めの起点が消えた、ということだ。
「銀取り」「金取り」
駒を取れる位置に自分の駒を進めることを、「○○取り」と言う。
市川の5五歩は銀取り、二宮の4六歩は金取り。
どちらも「取られたくなければ逃げろ」という手だが、市川の「もう逃げてはくれない」は、二宮が受けるだけでなく、取り合いを承知で攻め返してきたということ。
受け師が「仕留めに来た」瞬間だ。
【考察】4人の神童と、5人目の「大天才」
106話で壱岐が語った、同時期に奨励会に入った4人の神童。
久慈彼方、鞍馬清太郎、佳澄碧、そして二宮夕飛。
市川が「久慈彼方に匹敵する 否 彼を凌駕する」と言い切ったことで、二宮は「4人の一人」から、久慈と並ぶ、あるいは久慈を超える存在として描かれ始めた。
一方で、市川も朔から「久慈彼方を超える才能」と言われてきた男だ。
「久慈彼方を超える」と言われた二人が、勝者唯一人の盤で向き合っている。
そして、久慈彼方本人がまだこの最終日に姿を見せていないのも気になる。
二宮が勝てば、いよいよ「ムーンライト」と「タケノコ」が、プロの盤で再会する日が来るのかもしれない。
まとめ——「彼方じゃない」が、二人ぶんの言葉になった
113話は、前回の二宮の「あなたの相手は彼方じゃない 僕だ」に、市川が答えるまでの回だった。
整理するとこうなる。
- 二面指しの日、久慈彼方はスマホのネット将棋で「タケノコ」に負けていた
- 「タケノコ」は二宮夕飛。111話の「東京の奨励会の子」の正体
- 最終日:七尾14勝4敗、茅森月10勝8敗、佳澄碧16勝2敗
- 二宮の7三角成と馬の旋回で、市川の3五歩が回収される
- 市川「マヌケレベルや」「俺の相手は 天才二宮夕飛だ」
朔の仇を見ていた市川が、ようやく目の前の二宮を見た。
ここからは、久慈彼方の影のない、二宮夕飛と市川周鳳の本当の勝負だ。
来週が、待ちきれません!!
続きは漫画で、ぜひ二宮の馬の動きと、幼い二宮の見開きを見てほしい。
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登場人物と関係をまとめて知りたい方は → 登場人物一覧・相関図まとめ
久慈彼方が泣いた日を読み返したい方は → 【盤上のオリオン第111話】
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