【盤上のオリオン 116話ネタバレ】最新話 第1部完――茅森月「私に将棋を教えて下さい」、千駄ヶ谷で4人の神童がそろう

【盤上のオリオン 116話ネタバレ】最新話 第1部完――茅森月「私に将棋を教えて下さい」、千駄ヶ谷で4人の神童がそろう 盤上のオリオン

週刊少年マガジン掲載の漫画 盤上のオリオン最新話の感想、考察をお届け。

以下、ネタバレを含みますので、ご注意ください。

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盤上のオリオン 第116話 最新話 あらすじ(ネタバレ注意)

前回までのあらすじ

三段リーグ最終日、第18戦。

市川周鳳が投了し、二宮夕飛は四段に昇段。ついに棋士になった。

市川は二宮を「二宮四段」と呼んで頭を下げ、そのあと京都の朔に電話をかける。来期は棋士になって、久慈彼方と二宮夕飛を倒す。それは自分と朔の二人の夢だ、と。

打ち上げのあと、二宮は鎌倉の夜の海に服のまま駆けこみ、天国の祖父に「棋士になったよ」と叫んだ。

次号は「第1部クライマックス」、大増27ページと予告。

前回の記事はこちら【盤上のオリオン 115話ネタバレ】

今回のあらすじ

場面は将棋会館。新四段の撮影に、カメラのフラッシュがたかれ続ける。

今期はいつもより取材の人数が多い。初の女性棋士が誕生したからだ。ティーン誌の記者まで来ている。

大きな「王将」の駒を持って並ぶのは、佳澄碧と二宮夕飛。笑顔をと言われても、佳澄はふてくされた顔のまま。そのむすっとした顔が、なぜか受けているらしい。

その様子を見ていた将棋会館の偉い人は、佳澄はもちろんだが、あそこからよく頑張ったな、と二宮の連敗の日々を思い返していた。

卒業式と「勝ち組」

季節は進み、高校の卒業式。

卒業生代表として答辞を読むのは、生徒会長の長沢俊輔。

僕と同じ学び舎にいただけで君たちは勝ち組だ、と言い放ち、会場は「会長ー!!」の大歓声。同じ学校の二宮は、汗をかきながらその光景を眺めていた。

鎌倉の海で

二宮は、鎌倉の砂浜に座って海を見ている。

砂の上には、ミルクココアの缶が2本。

そこへやってきたのは、卒業証書の筒と花を手にした茅森月。おじいさんに昇段の報告はしたのか、と聞き、二宮がうなずくと、そっか、とだけ答えた。

月は砂の上に正座する。二宮もつられて正座する。

そして月は、両手をついて頭を下げた(このセリフは感想で)。

お母さんとの約束で大学には通う。それでも将棋は本気でやる、と月は言う。

三段リーグで、月は思い知った。身も心もささげて追いかけなければ、自分は誰にも追いつけない。鬼にならなければ、と。

私は棋士になる。だから、と頭を下げる月に、二宮の答えは……。

フツーにイヤです。

月は猫のように「シャーッ!!」と怒り、ここは「僕でよければ」とキメる場面でしょーが、と詰め寄る。

二宮は、月には里村九段という師匠がいる、と返す。あんなおじいちゃんはイヤ、と言う月に、里村九段は偉大な棋士です、僕が教えを乞いたいくらいです、と二宮。

私は君がいいの、とまっすぐに言われても、二宮は、四段になったばかりで資格がないし、師匠が2人なんて良いことはない、と首をふる。ド正論野郎め、と月は歯ぎしりした。

将棋の神様が連れて来た人

それでも二宮は、将棋の神様の話を持ち出す。

月は否定していたけれど、やっぱり将棋の神様はいると思う。

将棋の神様は、幼い二宮の前に、同世代で、友人で、生涯の敵となる3人を連れて来た。そして、打ちひしがれて将棋をやめようとしていた二宮の前に、今度は月を連れて来た。

だから二宮は、師にはなれない、でも側にいる、と言う。かつての僕らがそうだったように。

負けてくやしい時も、コーヒーで眠れない夜も、待ち合わせの時間つぶしでも。会心の手で勝った時も、朝のスクランブルエッグがうまく焼けた時も、雨で出かけるのをやめた時も、僕と指しましょう。

そして二宮は、月の側にいる、と約束した(このセリフは感想で)。

月は砂に指で「7二飛」と書く。二宮が応じ、砂浜に描いた盤の上で、二人の対局がはじまった。

二宮君の棋譜は、海の匂いがする――。

千駄ヶ谷へ

サザンクロス将棋教室に顔を出した二宮を、席主の海老名楓が迎える。くわえタバコを置き、昇段おめでとうございます、二宮夕飛四段、と頭を下げた。

一方の月は、街を歩きながら、二宮君は今ごろ千駄ヶ谷かな、とつぶやく。

その千駄ヶ谷駅前。二宮と佳澄碧を待っていたのは、紙パックのジュースを飲む久慈彼方と、ベンチでタブレットを見ていた鞍馬清太郎だった。

やっと来たか、と清太郎。佳澄にえらそうだと言い返され、えらそうじゃねーし、とむきになる。

久慈は、全員そろったね、行こうか、と声をかける。ああ、行こう、と二宮。

4人は並んで、将棋会館へと歩いていく。

ラストは「次回よりプロ棋士編へ突入」。第二部は、12月2日発売の週刊少年マガジン1号から、巻頭カラーで開始予定です。単行本12巻は12月16日(水)発売予定。

盤上のオリオン 第116話 X(旧Twitter)での反応

盤上のオリオン 第116話 感想・考察・まとめ

【今回の一番】「僕が茅森さんの側にいます」――師ではなく、隣で指す人に

116話でいちばん胸に残ったのは、二宮のこの言葉です。

「僕が茅森さんの側にいます」

弟子入りは断る。でも、側にいる。

二宮が並べたのは、負けた日、眠れない夜、待ち合わせのすきま時間、スクランブルエッグがうまく焼けた朝、雨で出かけなかった日。特別な日ではなく、ありふれた毎日に「僕と指しましょう」と言っているのがいいんです。

二宮自身が、そうやって強くなってきました。祖父と、そして同世代の3人と。

師匠と弟子のような上下の関係ではなく、同じ盤をはさんで、ずっと指し続ける相手。それは、将棋指しが将棋指しに渡せるいちばんの約束なのかもしれません。

107話で月は「棋士になって私を待ってて」と言いました。116話の二宮の答えは、待つのではなく、隣にいる、でした。

「私に将棋を教えて下さい」――月の土下座

「私に将棋を教えて下さい」

あの勝ち気な茅森月が、砂の上で両手をついて頭を下げる。これだけで、月がどれだけ本気かが伝わってきます。

113話で、月の三段リーグは10勝8敗に終わりました。103話では、佳澄に敗れて「負けちゃった」と泣き、104話では「私は竜になる」と誓った。

その月が116話で口にしたのは、誰にも追いつけない、という言葉です。佳澄、市川、七尾、そして二宮。三段リーグで、月は自分と彼らとの距離を、はじめて正面から測ったのだと思います。

竜の血統、攻撃至上主義の月が、プライドを置いて教えを乞う。おじさんは、ここに月の強さを見ました。負けを認められる人は、もう一段強くなれます。

大学に通いながら、という一言も現実的です。お母さんの直子さんとの約束を守りつつ、本気で棋士を目指す。月らしい筋の通し方です。

「フツーにイヤですけど」――重さを笑いで受け止める

月の土下座に、二宮が返したのは「フツーにイヤですけど」。

ここで真顔の名場面にしないのが、この作品の上手さです。

「シャーッ!!」と毛を逆立てる月、「ド正論野郎め」と歯ぎしりする月。103〜104話、113話と、ずっと苦しい場面の続いた月が、久しぶりにバーphilipの真剣師だったころの勝ち気な顔に戻っています。

しかも、二宮の断る理由がちゃんとしている。里村九段は偉大な棋士で、師匠が2人いるのは良くない。月の師匠を軽く扱わないところに、二宮の将棋への敬意が出ていました。

将棋の神様は「あなた」を連れて来た

1話で、祖父は幼い二宮に言いました。駒がピカピカに光っているのは、将棋の神様に選ばれた証だ、と。そして17連敗、18連敗の帰り道、二宮は「じいちゃん、僕は選ばれなかったよ」と泣きました。

116話の二宮は、その将棋の神様の話を、月の前でもう一度します。

  • 幼いころには、同世代で友人で生涯の敵となる3人――久慈彼方・鞍馬清太郎・佳澄碧
  • 将棋をやめようとしていたころには、茅森月

将棋の神様は、二宮に「才能」ではなく「人」を連れて来た。そう読むと、1話の「選ばれなかった」が、116話で静かにひっくり返ります。選ばれたのは駒ではなく、出会いのほうだったのです。

バーphilipで月と出会っていなければ、二宮は将棋に戻っていなかった。今度は二宮が、月の側にいる番です。

ミルクココアの缶が2本

細かいところですが、砂浜に置かれたミルクココアの缶が2本。

祖父との約束は「勝てばココア、負ければレモンティー」でした。115話の夜の海では、負けた日のレモンティーが描かれていました。

116話は、ココア。しかも2本。祖父の分と、自分の分。昇段の報告に、二宮はちゃんと「勝った日の飲み物」を持ってきたのだと、おじさんは読みました。

そして月の独白、二宮君の棋譜は海の匂いがする。鎌倉の海で祖父に育てられた二宮の将棋を、月はそう感じていたんですね。

「全員揃ったね」――千駄ヶ谷の4人

「全員揃ったね」

114話で二宮の心に浮かんだのは、千駄ヶ谷のイチョウの下で待つ久慈彼方・鞍馬清太郎・佳澄碧の姿でした。「次は早く来いよ」という清太郎の声も。

116話では、清太郎が「やっと来たか」と迎えます。114話の心の中の場面が、116話で現実になったわけです。

13話で千葉四段が言った「千駄ヶ谷で待ってるぜ」から100話以上。115話の記事で、おじさんは「第1部の締めくくりは、二宮が3人に追いつく場面では」と予想しましたが、まさにその形で第1部が終わりました。

ただ、最後のコマで歩く茅森月はひとり。4人の後ろ姿と、ひとりで歩く月。第二部は、月が「君達を追いかける」物語でもあるのだと思います。

【時事】作中でも現実でも「初の女性棋士」

116話の冒頭、取材陣が多い理由を、職員は「初の女性棋士誕生だからな」と説明していました。

実は現実の将棋界でも、この10月に大きなニュースがありました。

女流棋士の西山朋佳さんが、2026年10月26日、棋士になる権利を使うと表明しました。10月10日に白玲戦で通算5期を達成して資格を得ていた西山さんが、申請の期限の日に会見したものです。2027年4月1日付で四段となり、現実でも「女性初の棋士」が誕生します。

漫画の佳澄碧は三段リーグを突破して、現実の西山さんは白玲通算5期という別の道から。道はちがっても、同じ月に、漫画と現実の両方で「初の女性棋士」が描かれたことになります。

くわしくは、小ネタまとめに書きました → 【盤上のオリオン】小ネタ・豆知識まとめ(小ネタ2:女性初の棋士)

【小ネタ】ラストの将棋会館は「新しい会館」?

ラストで4人が入っていく将棋会館は、ガラスの多い、横に長い大きなビルとして描かれています。

現実の将棋会館は、2024年9月に、千駄ヶ谷駅前の新しいビルへ移転しました。日本将棋連盟の創立100周年の年です。駅から歩いてすぐの場所で、対局室も増えました。

116話で二宮と佳澄が千駄ヶ谷駅前で久慈・清太郎と待ち合わせ、そのまま歩いて会館に向かう流れも、駅前の新会館に合っています。作中の会館が新会館をモデルにしているかは、おじさんの推測です。

これまで物語の大事な場面に出てきた鳩森八幡神社は、もとの将棋会館のすぐ隣にあります。会館が移っても、千駄ヶ谷が「将棋の聖地」であることは変わりません。

【将棋用語】師匠・新四段

師匠(ししょう)

奨励会に入るには、プロの棋士に師匠になってもらう必要があります。師匠は原則として1人。二宮が「師匠が2人なんて良いことありません」と言ったのは、この将棋界のならわしをふまえたものです。

月の師匠は、永世竜王の里村昆九段。父の鍛冶晴臣竜王も、里村九段の弟子でした。

新四段(しんよだん)

三段リーグを抜けて四段になったばかりの棋士のこと。四段からがプロの棋士です。116話の冒頭のように、新四段は将棋会館で記念の撮影や取材を受けます。

二宮は「四段になったばかりで、師匠になる資格がない」と言いましたが、プロとして指しはじめるのは、これからです。

まとめ――第1部完。4人がそろい、月はその背中を追う

  • 新四段の撮影。初の女性棋士・佳澄碧に取材が殺到し、ふてくされ顔が「なぜか受けている」
  • 卒業式で生徒会長・長沢が「勝ち組だ!!」。月も高校を卒業
  • 鎌倉の海で、月が二宮に土下座して弟子入りを頼む。二宮は断るが「側にいます」と約束
  • 将棋の神様は、幼い二宮に3人を、やめかけた二宮に月を連れて来た
  • 千駄ヶ谷駅前で、二宮・佳澄・久慈・清太郎の4人がそろい、将棋会館へ
  • 第二部は12月2日発売の週刊少年マガジン1号から巻頭カラーで開始。単行本12巻は12月16日発売

116話は、第1部のしめくくりにふさわしい回でした。二宮は3人に追いつき、月は「君達を追いかけたい」と走りはじめる。追う人と追われる人が入れかわって、物語はプロ棋士編へ。約1か月のお休みのあいだに、1話から読み返しておくのもおすすめです。第二部が待ちきれません!!

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